小学校の総合学習で職場見学のような時間があるようで、わたしたちの会社にも時々、
子供たちがやってきます。
「アナウンサーになるにはどういう勉強をするのですか?」、「アナウンサーの仕事でいちばんむずかしいことはなんですか?」という難しい質問をして、メモの準備をしながら答えを待ちます。
「なにも勉強する必要はありません。むずかしいことなどなにひとつありません」と言ってしまうと沖縄県内全ての小学生がアナウンサー志望になるかもしれないので、「いやー、そりゃー、まー、いろいろとあります」と答えています。
中学、高校の放送部員、あるいは大学でマスコミを専攻している学生さんたちも話しを聞きにきます。
教育機関から、アナウンス教室の講師を派遣してくださいという依頼もあります。
先日、ある地域の小中学生を対象にしたアナウンス教室で阿佐慶涼子さんと平良いずみさんが講師をつとめたところ、たいへん好評だったようです。
こういう依頼には、仕事に支障がない限り積極的にお応えしたいと待ちかまえているのですが、わたし自身への依頼はありません。
冒頭の質問に戻ると、わたしの場合はアナウンサーになるための勉強は特にしませんでした。会社に入ってから先輩の教えを受け、それを実践して自分なりにアレンジするということを続けています。
新人研修の時、当時フジテレビのアナウンス部長だったYさんから教わったことをいまでもよく憶えています。Yさんはスポーツアナウンサーでオリンピックなどの大舞台で活躍していた人です。
「中安くん、10聞いたら1つしゃべるんだよ!」
放送席に座る前に、アナウンサーは実況のための準備、取材をします。しゃべる材料(ネタ)を仕込むわけですね。Yさんの教えは、ネタを10個仕入れたら内容を吟味して、そのうちの1個だけを放送で使いなさいということです。
日常生活でも、仕入れた情報を右から左へ流してしまうと軽率な人間だと思われがちです。知っていることの10分の1ぐらいをしゃべるようにすれば、言葉に重みがでますよね。
しかし、そうは思うものの、知ってることをあえて黙っているのは苦痛です。わたしなどはお調子者なので、1つ聞くと10しゃべりたくなります。
おしゃべりのアナウンサーにとって、いちばんむずかしいのは黙っていることではないでしょうか?

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(今年も3月21日に開催されます) |
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