くらしと経済 〜2012年放送

8月24日(金) 地球との往復に日本の技術?火星探査に世界が結集

(金城)
こんにちは。金城わか菜です。いつか人類が居住できる可能性もあるという火星、今回は、火星探査の現状や日本との関わりなどについて、野村證券那覇支店支店長の田辺稔さんに伺います。
(田辺)
よろしくお願いします。
(金城)
火星というとタコのような火星人がいるとかいろいろな伝説がありますよね。
(田辺)
火星は、古代から赤く光って見えることから血や戦いのシンボルとされてきました。
(金城)
火星が赤く見えるのはなぜですか。
(田辺)
火星の表面には地球の100分の1という薄い大気がありますが、その大半は二酸化炭素になります。地表はさびた鉄のようなもので覆われ、その赤褐色の部分が7割に及ぶため地球から赤く見えるんです。

(金城)
なるほど。さて、今回のテーマである「火星」の探査は壮大なスケールで行われていますね。
(田辺)
そうなんです。なので、NASAやロシア宇宙庁、日本のJAXAなどがつくる「国際宇宙探査協働グループ」が今後の惑星探査の工程表をまとめています。今後25年間、火星の有人探査を目指すことを共通の目標とし、その内容は「生命の探索」「人類の存在領域の拡大」などとなっています。

(金城)
探査はどこまで進んでいるんですか。

(田辺)
火星には、大渓谷や大火山、大量の水があることがわかっています。他にも、火星から落下した隕石にバクテリアのようなものの化石も見つかっています。
(金城)
なるほど。ちなみに、火星に行くのにどのくらい時間はかかるんですか。
(田辺)
まず、食糧や燃料を運ぶ貨物船を先に火星に送ります。火星を回る軌道に到達するのに約350日かかります。
(金城)
食糧や燃料だけでもだいぶかかりますね。
(田辺)
探査船は、3つに分けて打ち上げ、3番目に打ち上げた探査船に乗組員が乗り込んでドッキングしてから約180日にかけて火星に向かいます。宇宙は放射線量が極めて高いので、浴びる線量をできるだけ少なくし、水や酸素を節約するためには、こうした順番になるんです。
(金城)
もっと早く往復できれば放射線の影響も抑えられそうですよね。
(田辺)
そうなんです。宇宙船が往復する推進技術は最も重要です。現在、エンジンの技術革新が求められていて、JAXAと日本企業が共同開発した日本発の技術「イオンエンジン」が候補として登場しています。
(金城)
日本が推進技術の分野に大きく貢献できるわけですね。
(田辺)
他にもNASAが考案して日本の大学が原理を実証した「磁気プラズマロケット」も有力視されています。これが実用化されれば、火星には従来の半分の85日で行けるとされています。
(金城)
日本が火星に探査機を送る計画はあるんですか。
(田辺)
実のところ、日本は1998年に火星探査機「のぞみ」を打ち上げていますが、燃料系統の故障により失敗しています。しかしその後、軌道を精密に決める技術などの工学的な成果を小惑星探査機「はやぶさ」に活かすなどしています。
(金城)
今後の探査としては何かあげられますか。
(田辺)
現在、2020年に「ミーロス」という火星探査機を打ち上げる計画が検討されていて、気象を調べてサンプルを持ち帰り、着陸機で地表を調べるといった任務が予定されています。
(金城)
火星と地球を往復する宇宙船を日本が開発となればうれしいですね。
ありがとうございました。

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