くらしと経済 〜2012年放送

9月14日(金)ものづくり現場は観光資源 「産業観光」拡大中

(金城)
こんにちは。金城わか菜です。
日頃得られない体験ができる観光として工場見学が注目されています。
今回は、工場見学を中心とする「産業観光」の現状やその背景について、話を野村証券那覇支店支店長の田辺稔さんに伺います。

(田辺)よろしくお願いします。

(金城)
工場見学と言えば、ここ数年、テレビでも工場の意外な楽しさを紹介する番組が人気ですし、子供の頃、学校の遠足でも経験しますよね。

(田辺)
そうですね。最近では、中高年にも人気がでてきているんです。
景気の低迷で宿泊観光が控えられ、日帰りでしかも無料で楽しめるのが理由の一つですが、観光の目的が「見る、食べる、遊ぶ」から「食べる、体験する、学ぶ」に代わってきたということなんです。




(金城)
何かが学べる観光に関心が高まってきたということですね。だからこそ、産業そのものを観光の対象とする産業観光が注目されているんですね。

(田辺)
そうなんです。産業観光にはさまざまなパターンがあり、「学び」の要素が色濃く、見学と体験、そこから生まれる知的充足感が大きなポイントとなります。一方、観光を提供する側にも、より深い、ストーリー性を持たせた提供が求められるようになってきました。
最近では、地方自治体も産業観光に注目していて、これまでは観光の対象として考えられなかったものが大切な観光資源となっているんです。

(金城)
それはどういったものか気になります。

(田辺)
例えば、神奈川県川崎市では「工場夜景」が人気で、高い塔から夜空に炎が吹き上がる様子は、まるでSF映画のような幻想的な眺めになるんです。
また、海の上から夜景を楽しむ屋形船ツアーが毎回満員になるほどの人気を集めています。

(金城)
なるほど。地元では当たり前のものの中に、実は観光資源となる力が秘められているんですね。そう考えると、産業関連も含めて、全国にはまだまだ資源が眠っているような気がします。

(田辺)
そうですね。実際、兵庫県尼崎市では、地元の名物「あんかけチャンポン」の食べ比べと工場見学ツアーを組み合わせた企画を実施したところ、定員の3倍以上の応募があり、チャンポンの売上が半年前の3〜5倍になったお店もあるそうです。

(金城)
全国の市町村はそれぞれに歴史も文化的背景も違うわけですから、それを積極的にアピールして行くことで地元産業も活性化していくんですね。

(田辺)
おっしゃる通りですね。例えば、奈良県吉野地方では、昨年「銘木と銘酒の町フォーラム」を開催し、全国から集まった250名にスギやヒノキを使用した住宅用の高級建材「吉野材」の歴史や酒造りとの関係をアピールしました。

(金城)
どういう関係があるんですか。

(田辺)
実は、吉野材で作った桶で日本酒を仕込んむと予想以上に風味が良かったんです。現在は、吉野材が生まれる山の見学や桶樽ができるまでの過程、酒仕込みの様子を観光客に紹介するなど、産業観光化の企画が進められています。

(金城)
なるほど。これは、先ほど話しにあったストーリー性を活かした取り組みと言えますね。

(田辺)
そうなんです。ストーリー性やアピールの仕方によって有力な観光資源にもなりますし、地元の特色を活かした産業観光が盛んになれば、地域も潤うので、今後の産業観光には注目していきたいところですね。

(金城)
本日は、産業観光の現状や背景について伺いました。
田辺さんありがとうございました。

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