くらしと経済 〜2012年放送

10月26日(金)民間への運営委託・書籍電子化で変わる公立図書館

(金城)
こんにちは。金城わか菜です。
読書の秋ということで、図書館を利用される方も多いと思いますが、民間への運営委託や書籍の電子化で図書館や本をめぐる状況が変わりつつあります。
お話は野村證券那覇支店支店長の田辺稔さんに伺います。
よろしくお願いします。

(田辺)よろしくお願いします。

(金城)
図書館の民間への運営委託と言えば、民間企業のポイントカードを導入する公立図書館の決定が話題になりましたよね。

(田辺)
そうですね。
これは、図書館で本を借りるとポイントがたまり、そのたまったポイントが別のお店で利用できるようになりますしかし、このカードの扱いをめぐって賛否両論が巻き起こっています。

(金城)
私は、とても便利だと思ったんですが、賛否あるのはなぜでしょう。

(田辺)
例えば、カードの貸し出し履歴から読書傾向がわかるので図書館側からオススメの本などを伝えるといった機能の導入も検討されています。
そうした個人の嗜好や思想に関わる情報を民間企業に蓄積させることが公立図書館として適切なのかどうか、さまざまな議論があるんです。

(金城)
個人情報の管理のあり方など難しい課題もあるんですね。

(田辺)
そうなんです。また、こうした運営のあり方に加えてもう1つ、今後予想される電子書籍の普及にどう対応していくかも、図書館の大きなテーマとなります。

(金城)
以前この番組で、電子書籍は時間や場所を選ばないし、文字の拡大や音声の読み聞かせができるなどのメリットを教えていただきましたよね。

(田辺)
そうですね。書籍の電子化は今後も進んでいきそうです。
というのも、日本の電子書籍市場は、2005年は90億円で2010年は650億円まで拡大しました。
今後も電子書籍市場は成長していくとみられています。

(金城)
電子書籍が普及するとなると図書館の役割はどう変わりそうですか

(田辺)
図書館は出版する立場ではないので、電子化への対応も自ずと変わっていきます。
まず、紙の書籍や雑誌は年月とともにどんどん劣化していくので、資料を保護するという観点からも電子化が必要となります。他にも、省スペース化や維持管理コストの低減といった利点もあります。

(金城)
確か、日本一の蔵書数がある国立国会図書館は、書籍の電子化に取り組んでいるんですよね。
これらはどのように管理されているんですか。

(田辺)
図書館が独自に収蔵しているわけではなく、契約した企業のサーバーの中にあって利用者は図書館のホームページからそこにアクセスするという形になります。

(金城)
実際に図書館に足を運ばなくてもいいので、高齢者や体が不自由な方、遠隔地にすんでる方には便利ですね。

(田辺)
そうですね。身近に手軽に利用できるところは魅力的かもしれません。
ちなみに、北海道の市立図書館では、図書館利用者300人をモニターとして電子書籍貸出の実験を実施したところ、電子書籍では市に関連する書籍を充実させてほしいと言う声が41%という結果になりました。

(金城)
なるほど。手軽に利用できるからこそ地域の情報を求める声もあるんでしょうね。

(田辺)
地域密着というのは今後の公立図書館の役割や使命を考える上で重要なキーワードになると思います。

(金城)
図書館も大きな転換期を迎えていると言えそうですね。
田辺さん、本日はありがとうございました。

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