くらしと経済 〜2013年放送

10月4日(金)「バラスト水」をめぐって今世界で起こっていること

(金城)
こんにちは、金城わか菜です。
大型貨物船に不可欠な「重し」の役割をしている「バラスト水」。
今回は、そのバラスト水をめぐり世界で起きていることについて
野村證券那覇支店支店長の田辺稔さんに伺います。

(田辺)
よろしくお願いします。

(金城)
早速ですがバラスト水について詳しく教えてください。

(田辺)
バラスト水とは大型貨物船の重しになる海水の事です。
大型貨物船は貨物を下ろしてしまうとそのぶん軽くなり、
不安定になる危険性があります。
そこで、海水を船底に取り込み「重し」にし安定を保つのです。

(金城)
海水を重し代わりにするとはいいアイデアですね。

(田辺)
はい。
しかし、このバラスト水をめぐって様々な問題が指摘されています。

(金城)
いったいどのような問題があるのでしょう?

(田辺)
海水を取り込む際に、プランクトンなど、その海域の生き物も取り込まれます。
そして別の国で貨物を積み込む際にバラスト水を放出するのですが、
その時、一緒に生物も放出され現地の海の生態系を乱す原因になってしまったのです。

(金城)
なるほど。
外来の生物が入り込むことで、本来の生態系を変化させてしまうわけですね

(田辺)
そうなんです。
例えば、ワカメは、もともと日本や北東アジアに生息していますが
1970年以降、地中海やオーストラリア、最近ではアメリカでも見つかったそうです。

(金城)
となると、ワカメは日本近海から持ち運ばれた可能性がありそうですね。

(田辺)
そうなんです。
さらに、米国東海岸に生息するアンチョビやその稚魚を食べるクラゲが
バラスト水によってヨーロッパとアジアの中間に位置する黒海に入り込み、
現地のアンチョビ漁獲量が減ったという例もあります。

(金城)
この問題について何か解決策はあるのでしょうか?

(田辺)
この問題については一国で解決できる問題ではないので、
国際的な議論の結果「バラスト水管理条約」が採択されました。

(金城)
それはどのような条約なのでしょうか?

(田辺)
まず排出するプランクトンや細菌の量に基準値を設け規制すること。
そして基準値を守れるようなバラスト水処理の仕組みの導入の義務化が主な内容です。

(金城)
バラスト水は実際に、どのように処理されているのですか。

(田辺)
様々な方法がありますが主な処理技術として高精度フィルターで海水をろ過し、さらに低濃度の化学薬品を入れて処理する方法をとっています。

(金城)
なるほど。
しかし、化学薬品を使う事で海を汚してしまう事はないのですか?

(田辺)
排出時に薬品は無害化される様になっています。
また、薬品を使わない電気分解や船の構造を工夫し、
バラスト水の量を65%削減するといった様々な方法も開発されていています。

(金城)
バラスト水処理のために色々なアプローチがされているんですね。
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(田辺)

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