くらしと経済 〜2016年放送

12月23日(金)「手術室」が巨大な輸出産業に!高齢化が生んだ世界戦略

登川
皆さん、こんにちは。登川二奈です。
世界でもいち早く高齢社会を経験する日本。
その経験から今、新たな輸出産業が生まれつつあるようです。
今日はその新たな輸出産業について野村証券那覇支店支店長の井上剛さんにお話を伺います。宜しくお願いします。

井上
よろしくお願いします。

登川
早速ですが新たな輸出産業とどのようなものなのでしょうか?

井上
はい。高齢社会を背景として医療技術の進歩により「ものづくり大国」日本が総力を挙げて開発を進めてきた、世界初の実用化がされつつある「スマート手術室」のことだと考えられます。2016年6月には最終目標モデルの一歩手前のタイプとして東京都内の大学病院でその全貌が公開されました。

登川
どのような手術室なのですか?


井上
ネットワークでつながれたさまざまな医療機器と複数のディスプレー、そして、手術をサポートするアーム型ロボットなどで構成されています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構が中心となり、日本を代表するメーカー13社と5つの大学が連携した。
「日の丸プロジェクト」なのです。

登川
スマート手術室の大きな特長とはなんでしょうか?

井上
ネットワークにつながれた医療機器を手術戦略デスクと呼ばれるディスプレーで常に管理できるため薬の投与、メスを入れた角度や軌道、生体反応などの「時間情報」や「位置情報」も記録され、手術に関わるあらゆる進捗状況が可視化されるというのが大きな特長です。

登川
執刀医自身がディスプレーを見て、必要な情報を確認しながら、適切な処置を施せることで医療ミスが減少しそうですね。

井上
名医の経験やノウハウを注ぎ込んだ手術のデータが医者間で共有できれば経験の浅い若い医者には心強いと思いますし、ハイレベルな手術の実現も可能になります。
公益財団法人日本医療機能評価機構が2016年8月に発表した「医療事故情報収集等事業 平成27年度 年報」によると、医療事故の報告件数は2005年の1265件から2015年には3654件にまで増加しています。「スマート手術室」が事故防止を促進してくれることが期待されます。

登川
「スマート手術室」ですが今後はどのようになっていくと考えられますか。

井上
現段階ではまだ目標モデルの発表ということでこれからさらに開発が進みグレードアップがされていくでしょう。
通信規格の調整を行えば海外メーカー製の医療機器もネットワークに取り込むことができ、オーダーメードで「スマート手術室」を構成していくことができます。

登川
そうなると世界市場への売り込みも見込めてくるということですね。

井上
そういうことになりますね。
医療機器のグローバル市場は拡大傾向にありますが、実は日本の医療機器は貿易赤字に陥っています。厚生労働省の「平成26年薬事工業生産動態統計年報」によると、2014年の輸入額1兆3685億円に対して、輸出額は5723億円で赤字額は約8000億円になります。輸出額だけを見れば日本の医療機器が海外で評価されていることがわかりますね。

登川
これから世界中に日本初の「スマート手術室」が広まってほしいですね。
それではここでセミナーのお知らせです。

井上
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12月27日 火曜日 10時~11時半
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投資顧問事業部 宮下氏

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1月11日 水曜日 13時半~15時
1月22日 日曜日 13時半~15時
野村證券 那覇支店 井上 剛 支店長

登川
来週の暮らしと経済は、ひる12時40分からの放送となります。

本日は井上さんありがとうございました。

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