郷土劇場

学位論文になった島唄の世界

県立芸大 初の博士号 北海道出身の高橋さん 知名定男氏の音楽活動を研究

高橋美樹さん(県立芸大初の博士号を取得した) 高橋美樹さん
(県立芸大初の博士号取得)
  沖縄ポピュラー音楽の研究で県立芸術大学院生の高橋美樹さん(北海道出身)が芸大初の博士号を取得しました。郷土劇場の番組制作者として嬉しい出来事です。研究対象は知名定男さん。登川誠仁さんと前川守賢さんが比較研究に登場してくるのもより身近に感じられました。二人とも郷土劇場に度々出演しています。前川さんは知名さんが7年間担当した「定男と唄マーイ」の後番組「ゲンチャンとゆしりやびら」で現在進行を担当。
 四十年ほど前まで民謡を歌うことはアシバー(遊び人)がやることだとして親に叱責されたとか、結婚後も長い間、妻の両親に唄者である身を隠して
登川誠仁さん
登川誠仁さん
いたなど笑えない話もあります。唄者は世間 から軽蔑の対象になっていたのです。それだけに隔世の感を覚えた島唄関係者も多いでしょう。高橋さんが島唄を学位論文に 取り上げたことに対し知人は「学問的に評価が定まっていないのにと怪訝な顔をした」と苦笑していました。芝居、琉舞とともに沖縄の肝心(ちむぐくる)を表現する芸能の一角を占め隆盛を極めている中で、学問の世界では評価が低いのです。その意味で今回の博士誕生は、画期的 な仕事と言えるでしょう。全国的に沖縄音楽ブームが続いている中でのトピックでした。
知名定男さん 知名定男さん
 高橋さんの研究は、「沖縄のポピュラー音楽史における伝統と創造−知名定男の音楽活動を事例として−」。知名さんの音楽活動が伝統の島唄・民謡の枠を越えていわゆるオキナワンポップスと呼ばれるポピュラー音楽を創造し、沖縄以外の外の世界にも向けて発信していること、歌手、作詞家、プロデユーサーとしても類いまれな才能をもっていると分析しています。 
取材を受けるブリカールさん
取材を受けるブリカールさん
 ところで、もう一人三線で博士論文をめざしている人がいます。しかもフランス人です。那覇市内の居酒屋でアルバイトをしながら研究を続けているブリカール・フロリアン・ブノワさん(21)。パリ大学のフランス国立東洋言語学文化研究所日本語学科の研究生。三年前に観光で来沖、たまた まエイサーを見て感動。当時は日本語を知らなかったので何の踊りか理解できませんでした。しかし沖縄の文化に惹きつけられたブリカール
登川誠仁さん ブリカール・
フロリアン・ブノワさん

さん。 日本語をマ スタ ーし去年 9月 来 沖、 大工哲弘さんに八重山民謡を、県立芸大の教授に古典音楽を習っています。学位論文の対象は三線、琉歌など。バイト先の居酒屋では流暢な日本語を操り、民謡で観光客を持てなしていたのには感心させられました。一昔前、喜納昌吉さんの「花」が中国や東南アジアでヒットしましたが、ヨーロッパでも沖縄の芸能に関心を持つ人がいたのです。
 二年前、郷土劇場oh!笑いけんさんぴんにジョーンズ・バイロンさんが出演し見事な情歌を披露しました。ブリカールさんにも番組に登場する機会が作れないものかと考えているところです。

ネーネーズ(知名定男さんがプロデユースしている) ネーネーズ(知名定男さんがプロデユースしている)

2005年4月18日
名嘉山 秀信

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