くらしと経済 〜2020年放送

4月24日 消費者に直接リーチ。小売の新しいキーワード「D2C」

小林

こんにちは。小林美沙希です。
小売業界の新たなビジネスモデルとして「D2C(ディー・トゥー・シー)」という言葉が今注目されているようです。
いったいどういう分野の言葉なのか野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。
宜しくお願いします。

宮里

宜しくお願いします。

小林

さっそくですが「D2C」という言葉、一般的にはあまり馴染がないように思われますがどのような意味ですか?

宮里

そうですね。
D2Cは、近年注目されつつある言葉で、「Direct to Consumer」(ディレクト・トゥー・コンシューマー)の略で、製造者が消費者と直接取引するビジネスを意味します。
企業と消費者の取引を表す「BtoC」という言葉に似ていますが、BtoCが「誰と誰の取引か」という取引の当事者を示す言葉である一方、「D2C」は「消費者にどのように商品を届けるか」を明確にした言葉です。

小林

インターネット通販などでは、消費者に直接販売する例がありますが、何か違いはあるのでしょうか。

宮里

はい、インターネット通販との大きな違いは、製造者がはじめから実店舗を持っておらず、自社のインターネットサイトを立ち上げ顧客への情報発信やマーケティングを行う点です。
一方で消費者もスマートフォンなどを使って商品を購入するので、取引にかかる一連の流れが全てインターネット上で完結します。

小林

昨今こうしたD2Cブランドが続々と立ち上がっているということですね。
全てがデジタルで完結することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

宮里

一つ目は、手数料など余計な諸経費が発生しない事です。
例えば大手インターネット通販の場合毎月の登録料や販売手数料などが発生しますが、自社のサイトであれば手数料を考慮する必要がないので販売価格を安くすることができます。
このほか顧客との関係構築の機会が増える点や、効率的な顧客データの収集による商品開発への活用にも期待されています。

小林

顧客と企業が意思疎通しやすくしかも安く販売できるという事ですから既存のブランドにとっては脅威にもなり得ますよね。

宮里

はい、もちろん脅威でもありますが大手メーカーなどでもD2Cの考え方を新しいビジネスのヒントとして積極的に取り入れようという動きもあります。
ある大手スポーツ用品メーカーではスマホアプリなどITを駆使した販売システムを導入しました。
店舗内にある特別なマットに足を乗せてスマートフォンカメラで足のサイズを測ると店内の在庫をすぐに確認・注文ができる仕組みです。

小林

対面で接客できる店舗でデジタルの技術を駆使できれば利用者にとっても便利ですね。

宮里

そうですね。
他にも大手メーカーがD2Cブランドを傘下に収めたり積極的に出資する動きも見られていて、大企業では狙いにくい新たな市場開拓も視野に入れています。
一方でD2Cブランドにとっても大手メーカーが株主になることで信用を担保できるなどメリットがあります。

小林

なるほど。小さくても将来性のある市場をカバーするために、D2Cを育てて、その力を取り入れようという考えですね。
今後さらなる展開が楽しみです。
今日は、小売業界注目のキーワード「D2C」が持つ可能性についてお話を伺いました。
宮里さんありがとうございました。

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