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くらしと経済編集部

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人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
今人気の「クラフトビール」を皆さんはご存じですか。
進化を続けるクラフトビールの最新事情を野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

小林
数年前からよく耳にするようになりましたが、このクラフトビールとはどのようなビールなのでしょうか

人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

宮里
はい、クラフトビールの定義について、ビールを扱う業界団体の定義は次の通りです。

大資本から独立したビール造りや地域の特産品を原料とするなど条件があり、つまり大手メーカーが大量生産するビールではなく、小規模な醸造所で、地域それぞれの特色も活かしながら少量生産される個性的なビールがクラフトビール、という事になります。

小林
最近は、特に若い世代の「ビール離れ」が進んでいるといわれますが、クラフトビールについてはいかがでしょうか。

人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

宮里
確かに国内のビール類の市場は1994年をピークに縮小傾向が続いています。ワインやサワー、ハイボールなど選択肢が増えた事で「ビール離れ」という現象を起こました。

一方、クラフトビールの消費量は拡大傾向にあります。個性的で様々な種類のあるクラフトビールは、消費者一人一人の好みの多様化に対応できるビールとして、香りや選ぶ楽しみなどこうした新しいニーズに応える強みがあります。こうした多様性こそが、クラフトビールの魅力に繋がり、さらなる市場拡大の要因になっているといえそうです。

小林
なるほど。クラフトビール人気には、多様で個性的な味わいを軸に差別化を図る企業努力があるんですね。

人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

宮里
はい、さらに今後注目すべき動きが「国産ホップ」の再評価です。ホップはビールの香りや味わいの決め手となる原料ですが、このところ国産ホップを使ったクラフトビールが人気を集めています。

国産ホップ栽培の取組み事例を紹介します。

一つ目は山梨県の農園の事例です。ここではホップ生産からビール造りまでを一貫して手掛けています。
2016年から本格的にホップの栽培を始め、現在では600ヘクタールの農地で23種類のホップを栽培しているほか、この農園で栽培されたホップだけを使用したビールを限定販売しています。

二つ目は、京都府与謝野町の取り組みです。町のブランド戦略の一環で、2015年からホップ栽培に力を入れていて年々農地を拡大しています。ホップ栽培に興味がある人の人材育成にも力を入れています。去年10月にはこの農地で栽培されたホップを使ったクラフトビール第一弾を発売しました。

小林
国産ホップを使ったクラフトビールでの地域活性化の新しい形とも言えそうですね。

人気高まる「クラフトビール」鍵は「国産ホップ」

宮里
そうですね。
クラフトビールを生産する会社を対象にしたこちらの調査結果では、比較できる52社のうち、「増収」となったのは59.6%と、売り上げを伸ばした会社がおよそ6割に達したことがわかりました。クラフトビールが起爆剤となることでビール市場全体の回復に繋がっていく可能性も秘めています。

小林
私達消費者もビールの新しい選択肢としてクラフトビールが進化していくことに期待したいですね。宮里さん、ありがとうございました。

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