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くらしと経済編集部

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5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
昨年年3月より商用サービスがスタートした、第五世代移動通信システム・通称「5G」。今日は5Gの力を限定エリアで生かす「ローカル5G」について、
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

小林
まずローカル5Gのお話の前に、そもそも5Gがどのようなものかについて教えてください。

5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

宮里
はい。5Gの「G」は「ジェネレーション」、つまり「世代」の略で、「第5世代の移動通信システム」ということになります。5Gには3つの大きな特徴があります。
一つ目は、高速・大容量であることです。
通信速度が従来の4Gの約20倍になりますので、例えば2時間の映画を数秒でダウンロードすることができます。
二つ目は、低遅延であることです。
通信の遅れが4Gの約10分の1になりますので、例えば車の自動運転や、遠隔地のロボットなどの操作・制御の信頼性が向上したり、ネットゲームなども快適に楽しむことができます。
そして3つ目は、多数同時接続が可能なことです。
4Gの10倍多くの機器をネットワークに同時接続して利用できますので、家電やウエアラブル端末など、様々な機器をインターネット経由で連動させる「IoT(アイオーティー)」の利用がより本格化すると考えられます。

小林
5Gには社会を大きく変える力があるということですね。では、今日のテーマであるローカル5Gとは、どういうものでしょうか。

宮里
はい、ローカル5Gというのは、地域や産業の個別のニーズに応じて、地域の企業や自治体などが、建物内や敷地内等、局所的に構築するいわば「自営の5G」の無線通信システムということになります。

小林
今後通信会社の5Gのサービスが拡大していくのに、なぜ今、独自に5Gネットワークを構築する必要があるのでしょうか?

5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

宮里
はい、こちらでローカル5Gを導入するメリットについて見ていきましょう。
まず一つ目は、通信会社の開発の動向に左右されずに利用できることです。
二つ目は、ワイ・ファイより広範囲をカバーできることです。これによりこれまで難しかった、大規模な工場や屋外での通信をカバーすることができるようになりました。

5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

宮里
三つ目は、通信トラブルの影響を受けにくいことです。例えば災害時に通信会社の回線が混み合って、つながりにくくなった、という場合も影響を受けません。
最後は、キャリアのサポート状況を気にすることなく5Gを利用できることです。
このように、独自に構築するローカル5Gなら、場所を選ばずに活用できます。

小林
具体的にどのような用途で活用されるのでしょうか?

5Gの力を限定エリアで生かす、「ローカル5G」

宮里
はい。こちらをご覧ください。
・建設現場で建設機械を遠隔制御する、
・河川やインフラなどの状態を監視して防災につなげる、
・IOTやAIを活用する「スマート工場」で、ネットワークを経由して様々な情報をリアルタイムでやりとりすることで生産性を向上する、等の用途があります。

小林
ローカル5Gが、今後どのように活用されていくのか、その動向から目が離せませんね。宮里さん、ありがとうございました。

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