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1月7日は沖縄では「ムーチーの日」旧暦行事として沖縄では何するの?ムーチーを食べる由来を解説
実家も嫁ぎ先も沖縄の仏壇持ち家(沖縄では一般的に長男が祀る仏壇のある家)に生まれ
たものとして、幼い頃から筆者が体験し、年中行事を取り仕切る役割のウフヤーアンマー(仏壇持ちの女性)から見聞きした「年中行事」の知識を紹介しつつ、現代風にアップデートしていくコラム!
今回は「ムーチー(鬼餅)」を紹介します。
目次
2025年の「ムーチーの日」はいつ?
ムーチーは毎年、旧暦12月8日に行われます。
新暦では2025年(令和7年)の1月7日にあたります。
この時期は「ムーチー・ビーサ(寒さ)」と呼ばれ、寒さが一番厳しい時期でもあり風邪をひきやすい季節です。
旧暦12月8日に作られるカーサ(葉)に包んで蒸した餅は、カーサムーチー、あるいはムーチーといいます。
かつてはウージ(サトウキビ)の葉も使われていたようですが、近年では蒸すと独特な芳香が移るサンニン(月桃)の葉で包んだものが主流です。
サンニン(月桃)の香りは魔よけになると言われているので、サンニン(月桃)の香りを移した餅を食べることで、ムーチー・ビーサ(寒さ)と呼ばれる寒波にも負けず、健康に過ごせると考えられ、健康祈願としています。また、子供が生まれて初めてのムーチーは親戚や友人にも振る舞い「ハチムーチー」といわれます。
沖縄で親しまれる「ムーチー」とは
「ムーチー」は沖縄の旧暦行事であり、沖縄の方言で「餅」を意味する言葉でもあります。 食べ物としてのムーチーは、白糖や黒糖、紅芋などで味・色をつけた餅をサンニン(月桃)の葉で包んだものです。抗菌作用のあるサンニン(月桃)の葉で包んだムーチーは腐りにくく、保存食としても重宝します。
一年の厄を、魔よけの効果があるサンニン(月桃)やビロウ(クバ)の葉で包んで蒸したムーチーを食べることで厄払い、悪霊払いをする日でもあります。
蒸したあとの汁も厄除けになると言われており、裏戸や門に「鬼はいないか?鬼の足、焼こうか?」などといい、アチコーコー(熱い)ゆで汁を撒くと厄除けになります。
小さなお子さんがいるご家庭では、健康を祈願して、子どもの歳の数だけヒモでつないだムーチーを天井や壁から吊るします。特に男の子は、力持ちで粘り強い子に育ってほしいという願いを込めて、特大サイズの「力(ちから)ムーチー」を作り、神の木といわれるクバの葉で包みます。この年に子供が生まれた家庭では、初ムーチーを「内祝い」として配る習慣があります。
この時期、沖縄の家庭はムーチーの香りに包まれます。
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