米軍汚染水の引き取り 「不安払しょくのための暫定措置」 実態の解明求める声
普天間基地に保管されている有機フッ素化合物PFASを含む汚染水を日本側が処分するとしたことについて、岸防衛大臣は「地域住民の懸念を払拭するため」とその意義を強調しました。
一方、アメリカ軍基地の中にある汚染水については実態が明らかにされておらず、市民や漁業者は不安を募らせています。
▽岸防衛相『地域住民の懸念を払拭するために防衛省が緊急的な暫定措置をとることが必要』
先月、日米間で処分方法を協議していた最中にアメリカ軍はPFASを含む汚染水を公共の下水道へ放出しました。
さらに基地の中にはおよそ36万リットルの汚染水が残されている事から、防衛省は「台風などの大雨で貯水槽から溢れることがないよう”暫定措置”として日本側での処分を決めた」と強調しました。
▽宜野湾市民『本当は米軍にしっかりやって欲しいですけど今までやってもらっていないので。住んでいる立場としてはしょうがないかなと思います』
今回の政府の対応に地元から安堵の声が聞かれる一方。漁業者からは風評被害を懸念する声も上がっていました。
▽北谷町漁業共同組合・座喜味盛康組合長『この間も(仲買人が)来て魚は大丈夫なんですかと。流せばたどり着くところは海なんですよ。その辺が厳しい』
汚染水が再び基地の外に流れる事態は回避される見通しとなる一方、アメリカ軍が汚染水をどのように管理し処理していたか明らかにされていません。
▽北谷町漁業共同組合・座喜味盛康組合長『(アメリカ軍が)影響が無いっていう基準の中で流されたのか、それもなかなか把握出来ていない。しっかり報告されないから我々も安心して漁業が環境的に厳しい』
周辺住民や漁業者の不安を払拭するために汚染源を調査し、汚染水をめぐる実態を明らかにすることが求めらています。
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