「院長の指示聞かざるを得ない」産科院長の不正指示が常態化か

帝王切開による出産を装い診療報酬を騙し取ったとして沖縄市の産婦人科院長が逮捕された事件で院長による不正指示が常態化していたとみられることがわかりました。関係者は「断りたくても断れない状況だった」と証言しています。
この事件は3年前沖縄市美里にあるあいレディースクリニックの院長北條英史(52)容疑者が自然分娩にも関わらず帝王切開手術で出産したかのように装い、診療報酬およそ82万円を騙し取った詐欺の疑いで20日逮捕されたものです。
クリニックの元職員はこうした架空請求が北條院長の指示で少なくとも5年前から横行していたと証言しました。
元職員「(不正に関して)院長から直接指示をもらうときもあれば、よく人を介して指示を出すことも多かったので人を介す場合にはノートだったり、付箋用紙だったり何かメモを経由して指示が飛ぶという流れになります。」
「どれくらいっていうのをスタッフが把握できないほど、何が本当かもわからないほど、不正は行われています。」
経営者として業務を統括する立場でもある北條院長。診療報酬明細書の書き換えが横行していることは多くのスタッフが把握していましたが元職員は北條院長の指示を断れなかったと苦しい胸のうちを明かしました。
「これはしたくないっていうような声はあげていましたけど、そういう風に院長のいうことを聞かなかった場合の仕返しというのが倍返しでかえってくるので。そういった状況を考えるとこの1日をやり過ごすためには院長のいうことを聞かざるを得ない。」
「あんまり正義感振りかざして、やりたくないっていうよりも、やらざるを得ないというのが常態化している環境でした。」
こうした状況から辞める職員は後を絶たなかったということです。
「命の誕生って凄く素晴らしくて産婦人科だけじゃないですか、誕生に関われるっていうお仕事は。素敵だなと思って。そういう女性をサポート出来たらなという気持ちで入ったんですけど」
警察はクリニック内でどのように診療報酬の架空請求が行われてきたかなど実態解明に向けて捜査を進めています。
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