軽石問題 魚の仕入れ・価格にも影響 コロナ禍で奮闘する飲食店にも暗い影
軽石の影響で漁船が漁に出られない状態が続き、魚の仕入や価格にも影響しています。
那覇市泊にある「泊いゆまち」。
県内各地から届く鮮魚を求めて飲食店や一般客の姿がみられますが普段と異なる光景も。
▽島田直弥記者
「泊いゆまちの県産魚を扱う仲卸店です。普段ですとこの箱いっぱいに魚が並べられその種類も豊富という事ですが、軽石の影響で漁に出られずその数が極端に少なくなっています」
水揚げが少ないことにより流通量が限られれるため価格が上昇しています。
▽かねは水産・金城寿洋社長
「近海ものだと1.5倍位は上がっていると思います。沖縄で獲れる魚ミーバイ、タマン、後はビタローとかですかねクチナジなど並んでいるんですけど、軽石の影響が出てから少ないですね」
県水産課によりますと先月27日時点で県内の漁船3022隻のうち35%以上にあたる1089隻が漁に出るのを見合わせ。
なかでも特に影響が大きいのが北部地域でおよそ6割近くが休業しています。
かねは水産の金城社長は軽石の影響がさらに広がらないか懸念しています。
▽かねは水産・金城寿洋社長
「他の港に比べたら(流通量は)多いとは思うんですけど、結局、北部方面とか南部方面とかが水揚げがなくなるとみんなこっちに集中しちゃうので、競り合って値段は上がっちゃいますね」
▽遠藤駿記者
「鮮魚価格の高騰を受け那覇市にある飲食店では、魚が思うように仕入れられないなどの影響が出ています」
新鮮な海鮮料理が売りのこちらの飲食店では2、3週間ほど前から魚介類の流通量の減少に伴う高騰で思うように仕入れができなくなってしまいました。
普段なら一日に20匹は仕入れるというシャコガイも、この日水槽に入っていたのはたったの1匹…。
▽琉球海鮮りーさん堂・李植川店主
「いつも頼んでいる漁師が採れないものですから、いゆまちに買いに行くんですけど値段が3割程高くなっていますね」
先月緊急事態宣言が解除され徐々に客足が戻り始めていたところで大きな痛手となりました。
▽琉球海鮮りーさん堂・李植川店主
「本当は時短解除に合わせて皆に安く沖縄の魚介類を食べさせたいと思ってたけど、逆に困ってますね」
ようやく客が戻ってきたこのタイミングで、値上げに踏み切るわけにもいかないと苦しい胸の内を語りました。
▽琉球海鮮りーさん堂・李植川店主
「利益は薄めに同じ値段で出し続けていますので、今は我慢して頑張っています。早く軽石が除去されて普段通りに戻ればいいなと思っています」
軽石の漂着は、長かった時短営業が明け活気を取り戻そうと奮闘する飲食店にも暗い影を落としています。
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