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PFAS指針値1700倍 分析結果いまだ公表せず 

今年6月、うるま市のアメリカ軍施設から有機フッ素化合物PFASを含む水が流出した事故。国や県、アメリカ軍が施設の水を採取しそれぞれ分析した結果、国の暫定指針値の最大1700倍ものPFASが検出されていたことが分かりました。この結果について3者はいまだ公表していません。

この問題は今年6月、うるま市昆布にあるアメリカ軍の貯油施設で貯水槽の蓋から雨水が入り込み人体に有害な有機フッ素化合物PFASを含む水が基地の外に流出したものです。

県と国、アメリカ軍は日米地位協定の環境補足協定に基づく合同調査を実施し貯水槽から採取した水をそれぞれ分析していました。

関係者によりますと、県とアメリカ軍の分析結果では1リットルあたり7万ナノグラムを超える高濃度のPFASが検出されたほか、国のデータでは1リットルあたり8万5000ナノグラムと国が定める暫定指針値の1700倍もの値となっています。

この結果は7月には明らかになっていましたが3者はいまだ公表していません。

これについて3日、県議会の代表質問で県環境部の松田了部長は、「公表は日米両政府の合意ののちに行われるもので、現在アメリカ側の合意が得られていないため公表できない」と説明しました。

また分析結果について記者に問われた玉城知事は。

玉城知事「国県それぞれの調査結果については数値が違うものですから、どのような形で公表するかについて国と米軍に置いて協議がなされているものと受け止めています。」

このあと議会で玉城知事は結果を早期に公表するよう3日県から沖縄防衛局に対して口頭で申し入れたことを明らかにしました。

一方、国の暫定指針値を遥かに超える有機フッ素化合物が検出されていた事実が伝えられていない事に流出事故が起きたうるま市の住民は戸惑いや憤りを隠せません。

うるま市昆布自治会與古田敬子会長「住民としても区民としても何をしていいのか自治会としてもどういう風に対処すればいいのか。皆さんまた情報が全く入っていないですから、何をどういう風にすべきかを住民も迷っているんですね。」


うるま市天願自治会照屋勇会長「(調査が)やられている事実、情報がわかれば公表するのは当然です。ややもすると、健康被害を受けるかもしれない。事実を早めに公表すれば、その対応策も考えられるかと思いますので。」

生活を脅かす事故に加えて今回の公表の遅れに住民は不信感を募らせていて、いずれにしても早期に対策を講じるよう国や県に求めています。

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