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来年度沖縄振興予算2680億円 3000億円割り込む

本土復帰50年の節目にスタートする新たな沖縄振興の予算は大幅な減額となりました。来年度の沖縄振興予算について政府は今年度より330億円少ないおよそ2680億円とする方針を固めました。

県が3000億円台の確保を求めてきた来年度の沖縄振興予算。21日、財務省が自民党の沖縄振興調査会に示した額は2403億円で一括交付金については概算要求の半分にも満たない481億円となりました。

減額の理由について自民党関係者によりますと内閣府による振興計画の総点検で一括交付金を活用した産業振興分野の事業の達成状況が目標値の3割から4割に止まっていることなどが挙げられたといいます。

玉城知事「大臣折衝が残されていますのでその結果を待ちたい。政治的な結果についても改めて注視をしておきたい。」沖縄の本土復帰50年の節目を前にした厳しい数字に玉城知事は言葉少なにその場を後にしました。

沖縄振興予算は8年前当時の安倍総理大臣と仲井真知事が2021年度まで3000億円台を確保することと普天間基地の5年以内の運用停止を約束し、基地問題で政府と対立する翁長県政や玉城県政でもこれが維持されてきました。

専門家は期限を迎えた途端、大幅に予算が減額されたことは政治的冷遇だと指摘します。

沖縄国際大学前泊博盛教授「県民がノーと言っている米軍基地建設。お金でねじ伏せようとするかのような予算の組み方。自公政権としてはこういう揺さぶりをかけることによって、県内政局に影響を与えるようなそういう思惑もあるのかという印象。」

22日午前、財務大臣との折衝に臨んだ西銘沖縄担当大臣。その後の会見で、一括交付金281億円の増額が認められたと説明しました。

西銘沖縄担当相「厳しい金額の提示があったところです。3000億円台という数字はかなり厳しくなった。」

来年度の沖縄振興予算は今年度より330億円少ないおよそ2680億円となる見通しとなりました。

午後、記者団に対し玉城知事は3000億円台の確保は必要だという考えを強調しました。

玉城知事「復帰50年の節目にスタートする新たな沖縄振興の発展につなげていく予算として、県民、市町村、我々県の思いにこたえるものであるとは考えられない。大変残念です。」

前泊教授は県の予算執行率の低さは課題としながらも減額ありきの政府の対応を疑問視します。

前泊教授「失業率は全国の倍の水準、所得で言うと全国最低のまま放置されている。国が掲げた目標自体を達成できなかったのに、新しい振興計画のスタートの年に最低限の予算を提示してくるそのことが何を意味しているのか。」

政府は予算案について24日にも閣議決定する方針です。

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