噴き出す蒸気 三日三晩の焼き締め 壺屋・国の重文「東ヌ窯」
那覇市壼屋にある国の重要文化財新垣家住宅の東ヌ窯では火を入れて窯を修繕する焼き締めが行われています。
那覇市壼屋。かつて壼屋の中心的な登り窯の1つだった「東ヌ窯」です。陶工たちでつくる東ヌ窯保存会の有志たちが窯の状態を保つために火を入れる焼き締めをきのうから続けています。
蒸気となって噴き出しているのは窯の土がため込んでいた湿気です。
陶工・金城英樹さん「蓋している状態だと湿気がたまるので、(蒸気が)思った以上に出ていますね。急に温度を上げると割れたりひび入ったりすることがあるので、ゆっくりゆっくり。焦らずじっくりという感じですね。」
琉球王朝時代、各地の窯元を集めたことに始まり300年以上の伝統を誇る壼屋焼。
戦後復興の拠点となった壼屋も都市化とともに登り窯の煙が公害として問題視され、東ヌ窯の火は1974年を最後に途絶えました。
2002年、東ヌ窯は国の重要文化財に指定されましたが長年火が入ることのなかった窯は老朽化し2009年の大雨で崩れ落ちてしまいました。
現在の東ヌ窯は文化庁の補助を受け7年の歳月をかけて修復されたものです。
壼屋焼物博物館・又吉幸嗣さん「風雨にさらされて崩れたという過去がありますので、そこから定期的に火を入れていかないと昔からの形は維持できないと。」
現在も薪を燃やすことはできませんが、焼き締めることで劣化を防ぎ壼屋焼の歴史を伝える東ヌ窯を後々の代まで残していきます。
東ヌ窯保存会・新垣寛さん「こういう文化財で焼く窯ってないらしくて、保存して公開もしてて活用にもなっているし、見てもらわらないとねいいものがあるんだよと。」
三日三晩かけて行われる東ヌ窯の焼き締め修繕は21日朝まで続けられ、今週末には一般公開が再開される予定です。
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