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コロナ禍・原材料・原油高騰 沖縄かまぼこ業界悲鳴

沖縄の伝統行事や食卓に欠かせないかまぼこを作る業者が、かつてない製造コストの高騰に直面し悲鳴を上げています。

大正8年に創業した老舗、糸満市の西南門小(にしへーじょうぐゎー)カマボコ屋。

様々な種類の商品を出荷し多くの人に親しまれています。

▽購入客
Qいつもここで購入しているんですか?「はい、毎日です。最高です」

沖縄の食卓に欠かせないかまぼこを作る業者が苦境に立たされています。

▽西南門小カマボコ屋・玉城理社長
「物価の高騰、追い討ちをかける原油の高騰となっている。(コロナ禍で)飲食店の客も少なくなって10%から20%売り上げも落ちています。原材料と人件費にコロナに原油の4つの痛手です」

大きな要因が原材料となるすり身の高騰です。

沖縄で製造されるかまぼこのすり身は東南アジアやアメリカから輸入されますが、1キロ当たりの仕入れ価格が8年前と比べて30%から50%上がっています。

背景にあるのは世界的な需要の高まりです。

▽県蒲鉾水産加工業協同組合・金城太参事
「魚食文化が世界的に主流になっていて、骨のない製品は世界的に需要が伸びている。特にカニカマはヨーロッパなど欧米でものすごく伸びている」

これに加え、新型コロナの影響や原油の高騰が生産コストの上昇に輪をかけています。

▽県蒲鉾水産加工業協同組合・金城太参事
「魚は獲れているが、コロナの影響で原料であるすり身を生産する工場で働くワーカーが集まらない。物流が滞って東南アジアから(沖縄への)直送の船がなくなって、一旦国内に入れてそこから持ってこないといけない。原油が上がれば(輸送コストに)跳ね返る」

これまでにないコストの上昇に直面し、糸満市の老舗は販売価格に転嫁することを決めました。

▽西南門小カマボコ屋・玉城理社長
「追い討ちをかける状態となっていて、業者として消費者に申し訳ないが値上げをさせていただきたい。3月、4月から量販店で10%から15%くらい予定しています」

▽県蒲鉾水産加工業協同組合・金城太参事
「消費者に安価で提供してきたのがこれまでの流れだったが、伝統食であるかまぼこを残すために適正価格で売らないと業界が生き残れない」

県内では価格の改定に踏み切る業者が相次いでいて、16社が加盟する組合では「企業努力だけでは限界に達している。値上げせざるを得ない状況を理解してほしい」と訴えています。

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