公開日

地価公示 沖縄全体では上昇もコロナの影響続く

土地を取引する際の価格の指標となる地価公示が発表されました。

去年は新型コロナの影響で全国的に下落傾向にありましたが、今年は2年ぶりに上昇に転じ、県内でも去年より上昇しました。

一方、観光客の減少による影響は今も続いています。

地価公示は、国が毎年1月1日時点の地価を判断し公表するものです。

今年、全国平均では地価の上昇率が0.6%と2年ぶりに上昇に転じ、変動率全国県内の平均上昇率は去年が1.2%だったのに対し今年は2.0%と上昇幅が大きくなりました。

中でも工業地は顕著で、糸満市が28.4%で全国1位に。

隣接する豊見城市も26.5%と高い水準を維持しています。

不動産鑑定士の濱元毅さんは、空港や港へのアクセスに優れ、那覇や浦添と比べて割安感があることなどが要因だと分析します。

▽はまもと不動産鑑定・濱元毅不動産鑑定士
「沖縄の場合、海上輸送なり空路で運んで、一旦、消費地に近いところでどうしても溜めておかないといけない。糸満市は西海岸道路が整備されたことで、かなり時間距離が縮まった。豊崎などと比較したときに、こっちの方が安くて時間距離もそこまで変わらないというところで比較対象になると、引き合いはこっちの方が強くなった」

県内にはもともと十分な広さを確保できる工業地が少なく、コロナ禍にもかかわらず需要は高止まりしています。

住宅地についても県全体では去年1%だった上昇率が2%と大きくなりました。

特に那覇にアクセスする上で利便性が高い郊外で上昇しているのが特徴です。

国道58号線に近い宜野湾市の大山地区は去年は0.3%の上昇でしたが、今年は4.7%となりました。

▽はまもと不動産鑑定・濱元毅不動産鑑定士
「住環境が良いところで、なおかつ値ごろ感があるところが今回は割と伸びが強かったですね。例えば那覇市内で坪50万であったとした時に、宜野湾市の南の方だったら坪32~3万だ。自動車で30分、40分くらいで来れるんだったら、自分の買える範囲で、買おうと」

一方、商業地では新型コロナの影響が続いています。

県全体の商業地の上昇率は0.7%と去年よりも5ポイント回復しましたが、地域別でばらつきがあり、北谷町が4%上昇している一方で那覇市は0.1%にとどまっています。


▽はまもと不動産鑑定・濱元毅不動産鑑定士
「商業地はコロナの影響でコロナ前に比べると今は(観光客数が)3割とか、そのぐらいの水準ですので、観光客をメインにしているところはどうしても下がっています」

県内の商業地で最も地価が高い久茂地3丁目は2020年の上昇率が41.4%でしたが去年はマイナス1.5%、今年もマイナス1.0%と下落傾向にあります。

濱元さんはコロナ禍が長期化する中、観光産業が復興するかどうかが地価にも大きく作用すると考えています。

▽はまもと不動産鑑定・濱元毅不動産鑑定士
「前提として基本的に沖縄も割と将来への展望があって、長期的な視点から投資する層にとって、沖縄は魅力的な投資先と見ている。やはり観光客が鍵かなと思います。時間がかかるとは思いますけど潮目が変わるというほどの回復を示すとしたらやはりそれは観光産業が戻ったとき」

他方で建物を建てるのに必要な建築資材の高騰が続いていて、不動産の取り引きや消費者のマインドへの影響がさらに大きなることも予想されています。

あわせて読みたい記事 ヤンバルクイナ

あなたへおすすめ! クマノミ 小 クマノミ 大きい