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米国は台湾有事に軍事的介入?日米共同会見でバイデン大統領

岸田総理大臣とアメリカのバイデン大統領が共同で会見し、日米同盟の抑止力を強化することで一致したと発表しました。
この中で岸田総理は防衛費の増額を表明したほか、バイデン大統領から中国が台湾に侵攻した場合はアメリカが軍事的に関与するとの発言もありました。

▽岸田首相
「地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、バイデン大統領とは日米同盟の抑止力、対処力を早急に強化する必要があることを再確認しました」

岸田総理は軍事力を拡大する中国や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮などを念頭に、日米同盟による抑止力の強化に向け防衛費を増額することを表明しました。

また両首脳は普天間基地の辺野古への移設を含め、在日アメリカ軍の再編計画を進めることを確認しました。

記者会見でバイデン大統領は、中国が台湾に侵攻する台湾有事が起きた際に軍事的に関与するか問われ次のように述べました。

Q台湾で有事が起きた際、米国は本当に軍事的に介入する意志があるのか?
▽バイデン大統領
「そうだ。米国は『一つの中国』政策に同意しているが、武力で台湾を奪えるという考えは適切ではない」

アメリカはこれまで中国が台湾に侵攻した場合も台湾を防衛するか明らかにしない「あいまい戦略」と呼ばれる姿勢を取ってきました。

国際政治に詳しい沖縄国際大学の佐藤教授は今回の発言はバイデン大統領の「失言に近いものだ」と指摘します。

▽沖縄国際大学・佐藤学教授
「(米政府内には)まだ一つの中国であるという建前があるわけです。台湾有事の時に軍を派遣して台湾で戦争するのか、中国と本当に戦争するのかというと、これは大いに疑問だと思います。ウクライナでアメリカが(軍事介入を)やらないのと同じで、中国と直接戦争になればこれは第三次世界大戦になっちゃうわけですから、それをするわけがない」

一方、佐藤教授は今回の発言が現実になれば沖縄のアメリカ軍基地が台湾を支援する出撃拠点となり、相手からの攻撃の対象にもなると警鐘を鳴らします。

▽沖縄国際大学・佐藤学教授
「もしもアメリカが介入するなら沖縄の米軍基地だって中国のミサイルの攻撃対象になるわけです。このことをちゃんと考えて中国をどうするのか、どういう関係を持つのかというのを考えなければいけない。重大な分かれ道だと思います」

両首脳が「インド太平洋地域の平和のために日米同盟を強化する」と繰り返す中、有事の際に基地が集中する沖縄がその最前線となることが懸念されます。

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