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園児置き去り 対岸の火事ではない

静岡県で認定こども園の送迎バスに3歳の園児が取り残され熱中症で死亡するという痛ましい事件が起きました。

子どもたちの命を守るためどのような対応をすべきなのか県内の幼稚園を取材しました。

5日、静岡県の認定こども園の送迎バスの車内で3歳の女の子が倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認されました。

女の子は約5時間車内に置き去りにされていて、死因は熱中症の中でも程度の重い熱射病と判明しました。

FNNの取材に対し園長は、「バスから全員が降りたか確認していなかった」と話しています。

▽稲嶺羊輔キャスター
「今回の事故は決して他人事ではないと、送迎バスを運行する県内の園では改めて対応を強化しています」

浦添市にある「みのり幼稚園」。

保育園も併設し160人あまりの園児が送迎バスを利用します。

去年7月には福岡県の保育園でも5歳の男の子がバスに取り残され熱中症で死亡していて、みのり幼稚園は福岡の事件の直後に園児の送迎に関する独自のマニュアルを制作しました。

▽銘苅健園長
「概要的なものはもちろん作られてはいたんですけど、その概要的なものよりも職員が一つ一つ確認した上でやっていけるという細かなものが必要かなということで」

この中ではバスから子どもたちを降ろす際、添乗する職員が名簿をもとに園児の名前と人数を確認します。

全員揃っていることを確認した後、バスの運転手が子どもたちを園の中に連れて行きます。

その間、職員がバスの車内に園児が残っていないか、忘れ物が無いかを後部座席からくまなく確認します。

▽職員
「クーラーがついていないとすごく暑くなる。私達も気を引き締めて園児の残し忘れとかより一層気をつけるようになっています」

更に戻ってきたバスの運転手が最後にもう一度車内を確認することになっていて、トリプルチェックの仕組みです。

静岡の事件では、運転手が休みだったため園長が代わりに運転し、確認を怠ったとされています。

みのり園では4台のバスに運転手5人の体制で、急な休みが出てもカバーできるようにしています。

銘苅園長は6日の職員会議で今回の事件について触れ、子どもたちの命を預かる責任の重さを職員に伝えました。

▽銘苅健園長
「9999回大丈夫だった、でも1万回目にちょっと油断すると全てが消えるんだよと。万が一ということを想定する、いつでも継続して気を抜くことが出来ないと、職員のみなさんも改めて気をつけていこうと意思確認をした」

子どもたちの命を守るため、改めてチェック体制の強化と不測の事態に対する備えが求められています。

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