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ヤンバルクイナは賢かった!「飛べない鳥は脳が大きい」研究で明らかに 

やんばるにのみ生息するヤンバルクイナ。「飛べない鳥」の代名詞ですが、そのヤンバルクイナは「賢かった」という研究成果が発表されました。飛べない鳥にまつわる新発見は、私たち人類の進化の謎を解く鍵にもなるかもしれません。

鳥類学の世界で長年論争の的になってきたのが「鳥の飛翔能力と脳の大きさに関係があるかどうか」。そこに一石を投じる研究成果が発表されました。

「飛べない鳥、ヤンバルクイナは賢かった」

帝京科学大学と山階鳥類研究所、東京大学の研究チームは、日米の研究機関が保管するクイナ類23種類の頭骨標本を分析しました。

帝京科学大学島田将喜准教授
「3次元の脳の形を取り出してきて、23種類。比較すると飛べるやつと飛べないやつで、形状に違いがあったと。」

分析の結果、飛べるクイナ類よりも飛べないクイナ類の方が、体重のわりに脳が大きいことなどが明らかになりました。研究チームは「飛べないクイナ類が高い認知能力を発達させている可能性が高まった」としています。

ヤンバルクイナにはこれを裏付けるような「ある行動」が確認されています。

カタツムリを咥えるヤンバルクイナ。中身を食べるためカタツムリを石にたたきつけてその殻を割りました。実はこうした行動が確認されたクイナ類は世界広しといえどもヤンバルクイナだけなんです。

帝京科学大学島田将喜准教授
「実は賢かったと今回は付けましたけれども、僕もまさかと思ったんですよね(クイナ類)150種類もいて、そんなに難しそうな行動にも正直思えなかったものですから。そうではないと調べてみると分かったということですね。」

「飛べない鳥は脳が大きい」。研究グループはわれわれ人類と同じ「常時二足歩行が脳の大型化を容易にした」という仮説を支持するもので、人類学的にも興味深い成果だとしています。

島田将喜准教授
「ほかのクイナでは認められていない行動がヤンバルクイナだけが認められている。しかもそれは。大きな脳をもっているということによって支えられているんじゃないか。そのことが二足歩行、飛べないということと関係ある。そこが1つにつながったかなと私は考えています。」

実は賢かった飛べない鳥、ヤンバルクイナ。世界に誇るやんばるの豊かな生物多様性がまた一つ証明されました。

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