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救急医「数分で熱中症も」 市営バスに小学生置き去り

今月16日、糸満市が運営するバスの車内に小学生が一時取り残されました。
自力で脱出し無事でしたが、救急医療に携わる医師は「熱中症になる危険性があった」と指摘しています。

今月16日、糸満市内を巡る市営バス「いとちゃんmini」に乗客の小学生1人が乗っている状態で鍵がかけられ、そのまま放置されました。

▽仲宗根琢人記者
「こちらは小学生が取り残されたバスと同型のバスです。当時、運転手は中に小学生がいるにもかかわらず車内を確認せずバスを降り、鍵を閉めたということです」

車内で居眠りをしていた小学生は、鍵が閉まってから約10分後に目を覚まし、誰かに気づいてもらおうとクラクションを鳴らし続けましたが、助けが来なかったため自力で窓を開けて脱出し無事でした。

小学生が取り残されたこの日は最高気温が30℃以上となる真夏日でした。

日本自動車連盟(JAF)の実験では、炎天下におかれた車内ではエアコンを停止してから15分で人体に危険なレベルまで温度が上がることがわかっています。

豊見城市の友愛医療センターで救急医療に携わる山内素直医師によりますと、気温も湿度も高い状態で密閉空間に閉じ込められた場合、体温調節機能が未熟な子どもは熱中症になるリスクが大人よりも高いといいます。

この上で山内医師は今回の閉じ込めについて「10分という短い時間であっても熱中症になる可能性は十分あった」と危険性を指摘しました。

今月5日には静岡県牧之原市の認定こども園で通園バスに置き去りにされた3歳の女の子が熱射病で死亡する事件がありました。

糸満市からバスの運行を委託されている美ら島観光バスの仲里隆代表は「大変申し訳なく思っており、二度と同じことが起こらないよう再発防止を徹底します」とコメントしています。

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