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止まらぬ値上げの波 競争激しく価格転嫁できない企業も

食品を中心に幅広い製品の価格が1日から一斉に上がります。価格を据え置きで対応していた県内企業からも、すでに企業努力では限界だと訴える声が上がっています。その現状を取材しました。

Q値上げの実感は?
「この辺・・・練り物系なんかちょっと上がったかなと思うけど、でも作っている人も大変だから仕方ないなと思っていますね。」

「食品とか全般的にちょっとずつ上がっているんじゃないかなって買い物を控えるしかない、あとは(買う)量を少なくするとかそれくらいしか方法が無いのかなと。」

「うちも娘が子供がいる家庭なので、食費は最近すごく上がっているって話になりますから、何段階にも分けて何回も上がっているのでやっぱり厳しいです。」

ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し世界的な原油価格の高騰による原材料費の値上がり、それに円安の影響から物価の高騰が続いています。

帝国データバンクによりますと、10月1日には年内最多となる6500品目を超える商品が値上げされる予定で、1世帯当たり年間7万円近く支出額が増えると試算され家計への負担は増す一方です。

値上げの波はビールにも。

オリオンビール村野一社長
「出来る限りご愛飲いただける価格で提供したいという企業姿勢には変わりはありませんけど、ビジネスパートナーの人たちへの配慮もありますので、今回は値上げをさせていただくことにいたしました。」

オリオンビールでは原材料費や運送費の値上がりを受け、来月出荷分から瓶や樽製品では4年ぶり、缶製品では14年ぶりに価格を改正します。

酒税の改正除く値上げは商品のほとんどにあたる44品目にのぼり店頭価格で4%~10%上がる見込みだということです。

登川二奈記者「様々なものに影響を及ぼしている値上げの波、生活に欠かせないトイレットペーパーにもその影響が及んでいます。」

沖縄が本土に復帰する前、1967年に設立された昭和製紙は、県内で集められた古紙を使ってトイレットペーパーなどを製造しています。

昭和製紙・屋嘉比康弘営業課長
「石油、電気代、薬品剤、そういったものがすべて値上げしている。(コストが)約10%以上上がっているのが実情です。」

中でも工場を稼働させる原油の高騰が大きく影響しているほか、新型コロナの影響でペーパーレス化が急速に進んだことで原料の古紙が減少していることもコストが急激に上がった要因の一つだと話します。

今年5月には一部の商品で価格を改定するも、生活必需品への価格転嫁は難しく、これまで企業努力を重ね耐えてきました。

屋嘉比康弘営業課長
「お客様にはかなり聞きずらいお話になるかと思うんですけども、作る現場としてもかなり値上がりしている状況なので、当社だけで吸収することがもうできない状況になっているということでご理解を求めていきたいと思っています。」

製紙業に関して県内では今後冬にかけて価格が上がっていくと見られます。止まらない物価高騰の波が家計を今、直撃しています。

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