公開日

観光V字回復に黄色信号?人手不足に観光業は四苦八苦

観光需要を喚起する「全国旅行支援」が始まり、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業界では需要の回復に期待が高まっています。一方で課題となっているのが「人手不足」です。観光客の増加に応えるために工夫する現場を取材しました。

大城良太キャスター「まるでコロナ前に賑わいが戻ってきたかのようです、南城市にあるおきなわワールドには多くの観光客が戻ってきています。」

新型コロナの感染拡大の度に臨時休業を余儀なくされてきたおきなわワールド。9月頃から徐々に団体客が増え、13日は6校の修学旅行を受け入れるなど国内客はコロナ前の8割程となる1日2500人が訪れています。

おきなわワールド上間悟事業所長
「コロナ禍前の予約数に近いぐらいの予約も頂いていますので今年下期は国内のお客様はだいぶ戻ってくるのかなと期待しているところです。」

11日からは始まった政府の観光需要の喚起策「全国旅行支援」も追い風となっています。

観光客「タイミング良く始まってラッキーでした。」「嬉しいです、ずっと小学生に入ってから旅行行けなかったので」

那覇市の国際通りに面した南西観光ホテルにも修学旅行生の姿がもどってきました。

上原尚彦統括総支配人
「ものすごい予約が殺到している現状です。旅行割の影響もあり(稼働率が)60%~70%以上は伸びてきています。」

しかし、喜んでばかりいられない事情があります。それが人手不足です。観光業はコロナ禍で落ち込んだことで離職者が増加し、このホテルでも50人いた従業員のおよそ半数が別の業界に転職したと言います。

上原尚彦統括総支配人
「稼働が増えても人材が足りず一人何役をこなしている現状というのは変わりはないです。」

求人をかけてもなかなか応募がない中、ホテルではフロントでの対応など従業員の負担が減らすため新たにアプリを導入し、客からよく質問を受けることや周辺情報が簡単に分かるようしました。

上原尚彦統括総支配人
「本当に踏ん張り時です。ただお客様は増えていますので、観光としての兆しはあるかと思いますので、いまから人材を期待しています。」

同じく人手不足を抱えるバス業界。県バス協会によりますと現在観光バスの運転手140人、バスガイド120人が不足していて今後増加が見込まれる修学旅行に対応できなくなることが懸念されています。

県バス協会小川吾吉会長
「修学旅行に来られる方々がなんとしても減らないように、一生懸命やっていくしかないですね、あらゆる手を尽くして。」

協会では秋が観光の閑散期にあたる北海道に運転手などの応援を受ける予定で、県に対し人材確保にかかる財政支援を求めたところです。

小川吾吉会長
「修学旅行は沖縄観光の大きな柱だからね、何とかして県としてもっと力を入れてやってもらいたいですね。」

全国旅行支援に加え今週末には那覇と台湾、香港を結ぶ直行便の再開も控え沖縄観光のV字回復が期待される中、人手不足への対応など観光地の受け入れ体制の整備が急がれます。

あわせて読みたい記事 ヤンバルクイナ

あなたへおすすめ! クマノミ 小 クマノミ 大きい