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インバウンド需要回復 高付加価値・インフルエンサー活用で取り込みへ

台湾と那覇を結ぶ直行便が続々と再開されインバウンドの需要回復に期待が高まっています。円安などの影響で消費額が増えると予想される中、県内の観光事業者は多くの台湾旅行者を取り込もうと様々な準備をしています。観光復活へのキーワードは「インフルエンサーの獲得」と「商品の高付加価値化」です。

11日に新型コロナの水際対策が緩和された事で続々と台湾と那覇を結ぶ定期便が再開。28日は台湾のLCCが那覇路線を新規就航をさせました。

台湾からの旅行者新型コロナの流行前は海外からの観光客が年間で300万人訪れていて、中でも台湾旅行者が最も多く年間90万人に達していました。

今川雄太さん
「台湾の人は日本のものを買ってくれる、ご飯をしっかり食べてくれる、さらに近いということで非常に大きなチャンスだと思っています。」

沖縄観光にとって台湾はまさにメインターゲット。県内の観光事業者はいかに台湾旅行者を取り込めるかが売上回復の鍵を握ります。

「台湾の方の特徴として口コミを非常に大事にされます。インフルエンサーの施策という所を前向きに活用していくと事がインバウンドの対策として重要になってくると思います。」

台湾をはじめとした中華圏の人々はインフルエンサーがSNSやブログで発信する口コミを頼りに旅の行先を決めています。

台湾からアジアに向けて日本の旅行情報などを伝えるIku老師さんに沖縄に来たらどんな体験を発信したいか聞いてみました。

台湾で活躍する日本人YOUTUBERIku老師さん
「このおじぃおばぁに会いたいとか、この人たちに会いたいから来るという人たちが台湾には多いと思うので、台湾と沖縄は似ているんですけど『人情』なんですよね。心でつながるのを大事にしている場所だと思うので、そこがもっと出てこれば
。」

心の交流ができる体験プログラムなどがあればより満足度が高まりリピーターが増えそうです。

「購買意欲のある人たちは台湾元は円に替えているですよ。この一番安いタイミングで替えてある、僕のファンの人達がコメント欄にもう替えたからという、いつでも行けるという状況にある人たちがいるので、もう少し踏ん張ればものすごい良いことが待っていると思います。」

響力のあるインフルエンサーに店を利用して貰うためにはどうすればいいのか。那覇市内の飲食店の店主が集まり台湾客の獲得に向け勉強会を開いています。

今川雄太さん
「何か印象に残るようなビジュアルをある程度彼らに提供できるとこれが勝手にシェアされる。」

さらに今川さんは円安の影響で旅行者の購買意欲が高まり消費額が増える事が予想されるとして、インバウンド向けに高付加価値商品を準備をする事を提案しました。

「来てくれた人がなるべく高い値段を出せるようなものを置いておくというところが非常に大事です。なのでインバウンド向けに普段は仕入れないようなお酒でちょっと高めの外国人に人気のあるようなものを仕入れても、グラス1杯で3000円かかりますけどいいんですか?というものも動いたりすると思います。


ジャンボステーキハンズ仲本貴博代表「(新型コロナの影響で)3割ちかく入っていたインバウンドのお客様がなくなったので相当ダメージは受けましたけど今後が楽しみだなと。」

県もこれまでの観光客数の伸びを優先する政策から脱却し1人当たりの滞在日数と消費額を増やす「量から質」への転換を掲げています。

新型コロナが収束し観光需要が回復しても「薄利多売」の状況を変えなくてはオーバーツーリズムに陥ってしまい観光収入の増加は厳しいからです。

ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄村尾茂樹総支配人
「我々としても質の高い内容のものをお届けできるように。」

恩納村にあるリゾートホテルでは今年から琉球料理伝承人のシェフが作る「琉球懐石」の提供を始めました。

村尾茂樹総支配人
「価格的にお買い得という訳ではないんでしょうけど、価値のある商品というのをどんどん提供していければと思います。」

さらに宿泊日数を伸ばし旅を満喫して貰おうと、赤土の流出を防ぎサンゴを守るプロジェクトに賛同する農家を巡る宿泊プランを12月から導入します。

「知的好奇心というのが非常に大事だと思っているんですよね、恩納村としての取り組みを台湾の方にも知って頂いて興味を持って頂ければなと考えています。」

今川雄太さん
「レストラン・ホテル色々な事業者が外国人の方たちにどういったサービスができるのかというところはまだまだ高付加価値、質をあげていくチャンスは残っていると思いますので、このあたりをしっかり地域ごとのお客様ごとに戦略を立てていく一緒に価値を作っていくというところがさらに沖縄の観光・経済を大きくしていくと思っています。」

徐々に海外路線が再開していますがまだまだ航空券が高い状態が続いていてコロナ前の賑わいに戻るにはあと3年はかかると言います。

その間に沖縄観光の形を「量から質」へシフトできるか。長いトンネルの中にようやく差し込んだ希望の光を掴むため各事業者の挑戦が求められています。

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