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夜間中学と認められず 珊瑚舎スコーレ「学ぶ権利のために門戸開けて」

公立の夜間中学がない県内で20年に渡り義務教育を受けられなかった人たちの受け皿となってきたフリースクール・珊瑚舎スコーレ。

私立の夜間中学として県に認可してもらおうと申請していましたが、県は「設置基準を満たしていない」と認めず再審査に向け県に働きかけるよう県議会に陳情しました。

県内には公立の夜間中学がなく、戦中・戦後の混乱、さらには若年出産などで義務教育を受けられなかった人達のために「NPO法人珊瑚舎スコーレ」は自主夜間中学を手弁当で開設し道を拓きました。

2004年からこれまでに190人が入学、95人が卒業していて、おととし南城市に校舎を新設し、今年3月には経営基盤の安定やカリキュラムの充実を目的に私立の夜間中学として認可するよう県に申請しました。

しかし先月、県は文科省の中学校設置基準の第8条で定められている校舎面積の基準を満たしていないとして認めないことを通知しました。
※生徒数40人以下の場合600平米

珊瑚舎スコーレの星野人史代表は22日に県議会を訪れ、県に対し再審査するよう働きかけてほしいと陳情書を提出しました。

▽NPO法人珊瑚舎スコーレ星野人史代表
「学ぶことは基本的人権の柱の一つですから、それを用意するのもまず(行政の)仕事なんです。権利の保障のために門戸を開けておくこと、準備してあること、いつでも通っていい、通えるという状況を作ることが行政の仕事」

県の担当者は沖縄テレビの取材に対し夜間中学が必要とされている県内の事情を十分認識しているとした上で、文科省が定める基準を満たす必要があるとの見解を繰り返しました。

一方、校舎の広さの基準について「地域の事情を考慮し、教育に差し障りがない場合はその限りではない」とする例外規定があり、星野代表は県に再審査を求めています。

▽NPO法人珊瑚舎スコーレ星野人史代表
「柔軟に考えましょうっていうことを言っているわけです。第8条の例外規定をいかすという立場で珊瑚舎スコーレの夜間中学校は設置の方向で考えるのが、やっぱり沖縄の義務教育未修了者の人に対しては非常に誠意のある対応だと僕は思っています」

夜間中学をめぐり、文科省は各都道府県に公立の学校を1校開設するよう促していますが、県内では設置のメドも立っていません。

「誰一人取り残さない」と掲げる玉城県政だからこそ柔軟に対応するよう星野代表は訴えています。

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