観光客立ち入り制限へ 西表島エコツーリズム構想認定
県内最大の落差55メートルを誇るピナイサーラの滝。島のほとんどが亜熱帯のジャングルの西表島です。生態系を支えるマングローブは国内最大の規模で、国の天然記念物のイリオモテヤマネコやカンムリワシなど数々の希少な生物が暮らしています。
西表島は去年7月ユネスコの世界自然遺産に登録されましたが懸念されるのは観光客などが殺到し自然が損なわれるオーバーツーリズムです。このほど自然環境に配慮しながら観光を楽しむ竹富町のエコツーリズム構想が認定され、今後、島内の一部の観光地で観光客の立ち入りが制限されることになりました。
手つかずの大自然を満喫でき観光客の人気を集める西表島には新型コロナが流行する前は年間およそ30万人が訪れていました。その一方でオーバーツーリズムが懸念され、自然環境の保護と観光をどう両立するかが課題となっていました。
西表島が去年、世界自然遺産に登録されたことを受けて竹富町は自然環境に配慮しながら観光を楽しむエコツーリズムの構想をまとめ7日、環境省がこれを認定しました。
構想では世界自然遺産に登録されているエリアは観光での利用を原則禁止としていますが、観光スポットになっているエリアについては1日ごとに利用人数に上限を設けガイドの同行などを条件に観光客の立ち入りが許可されます。
この中ではピナイサーラの滝があるヒナイ川は1日あたり200人、島で最も高い古見岳は1日あたり30人など5つの観光スポットで人数制限が導入されます。※
立ち入り制限は観光客を対象としたもので、島の住民は対象ではなく、また違反すると罰則もあり実効性を伴うものとなっています。竹富町ではゴミの処理やトイレの利用などに関するルールなども定め、人数制限の導入に向け準備を進めています。
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