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方言札かたどるビスキュイでアート体験 標準語励行巡る仏との歴史の接点

かつて教育現場で子どもたちの標準語励行の名のもとにウチナーグチを強制的に禁じた方言札です。自分の国にも似た歴史があるフランスで活動するアーティストがこの週末、御菓子作りを通したアート体験を企画しました。

今月3日から那覇市内で始まった「ARTNAHA」は市街地を展示会場に路地など野外に作品が展示されています。

フランス在住のアーティスト、ユニ・フォン・シャープさんが企画したのはフランスの伝統的なクッキー・ビスキュイを作りです。テーマは「ウチナーグチ」。レシピはすべてウチナーグチで書かれています。

読み上げる親子「むる…まとぅみてぃ…全部、まとめて!」

変わっているのはビスキュイの「形」。モチーフにしたのは「方言札」です。

かつて沖縄の教育現場でウチナーグチが禁じられ、標準語励行の手段として用いられた方言札。ウチナーグチを話した生徒の首にかけられ、方言の蔑視に繋がりました。

ユニさんの住むフランスでも同じように方言を禁止した言語政策があったことが沖縄との縁を感じています。

ユニ・フォン・シャープさん
「学校で(フランス)ブルターニュ地方のブルトン語を喋った生徒には罰で例えば木の靴を首から下げなきゃいけなくて。」

参加した人たちは焼き上がったビスキュイを味わいながら、かつて親から体験を聞いた方言札に関する話しをするなどその歴史について思いを馳せていました。

参加した女の子
「作りながらウチナーグチとかも習えて楽しかったです。もっと沖縄の昔のことを知りたいと思いました。」

女の子の母親
「過去にここ(沖縄)で起きたこととかと世界で起きていたこと、繋がっていることがたくさんあって、そこがやっぱり面白いなと。自分たちの過去も新しく学んでいくっていうのは良いなと。」

ユニ・フォン・シャープさん
「言葉もクッキーも舌の上で消えてしまう、儚く消えてしまうものなんですけど、そういった消えてしまうものをどう伝えていくか。」

「こういうイベントに参加したっていうことがちょっとでも記憶に残ってフックになってそこからまたこれがきっかけになって広がっていけば良いなと。」

多くの海外アーティストが作品を披露する「ARTNAHA」は18日まで開かれています。

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