在沖アメリカ海兵隊の新たな部隊 創設の狙いは

海洋進出を強める中国を年頭にアメリカは沖縄に駐留する海兵隊を再編し、離島の防衛に対応した新たな部隊を創設する方針を固めました。
海兵隊を再編して創設される「海兵沿岸連隊」通称MLRは、部隊を小規模に分散し、敵の艦艇などの進出を防ぐ離島の防衛に機動的にあたる部隊で2000人程度の規模となります。
去年3月にハワイで初めて創設されていて、今後数年以内に沖縄の部隊が改編される見通しです。
新たな部隊の創設に至った経緯について、軍事評論家の前田哲男さんは軍備を増強する中国を念頭に南西諸島に展開するアメリカ軍と自衛隊が一体となって防衛体制を強める狙いがあると解説します。
▽軍事評論家・前田哲男さん
「自衛隊との協調・協力・協働も踏まえ、かつ先島・宮古石垣にまで場を広げた反撃態勢をとって中国と対峙する。そういう方向の中に(MLRは)位置づけられているだろうと思います」
沖縄の基地負担軽減に向け在沖海兵隊員を約1万人とするアメリカ軍の再編計画に変更はないとされている一方、日本政府は沖縄の陸上自衛隊第15旅団を師団に格上げし、新たなミサイル部隊を配備する方針を固めています。
▽軍事評論家・前田哲男さん
「(台湾有事が現実化すれば)沖縄は地形的に見ても地理的に見ても正面に立たざるを得ないわけで、海兵隊の新しい部隊創設はそうした情勢を反映して(変化し)日米関係も師団増強という形で変わろうとしている。どちらの場合でも沖縄に新たな負担を強いるという現実には変わりはない」
日米両政府は日本時間の12日にワシントンで開催される外務防衛の閣僚会議2プラス2でこれらの方針を確認する見通しです。
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