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配信動画で認知症予防 介護現場の負担軽減にも

新型コロナの影響で人手不足の状況が続く介護現場の負担を軽減しようと、動画配信を使った新たな取り組みが始まっています。

ボランティア団体「アカバナプロジェクト」が制作したのは高齢者の体力低下や認知症の予防を目的とした動画です。

アカバナプロジェクトの代表で普段は特別支援学校で教鞭をとる山城郷士さんは、新型コロナの影響で施設に入所している祖母と面会ができなくなったことをきっかけに動画の制作を始めました。

▽アカバナプロジェクト山城郷士代表
「介護現場でのお年寄りの方はとても認知面でも体力面でも落ちているところがあったので危機感もあった。そういう人たちのために何かできないかなって」

高齢者が施設での生活の中で人との接触が制限され、体力の低下や認知症の進行を招かないか懸念した山城さん。

介護の現場で人手が不足している現状も踏まえ、負担の軽減になればと10分程度のレク動画を毎日配信する「アカバナチャンネル」を開設しました。

友人のケアマネージャーと制作する動画は365日日替わりで、認知症予防に繋がるとされる日付の確認クイズから始まります。

また、高齢者が慣れ親しんだウチナーグチを使って簡単な体操を行うなど工夫が凝らされています。

▽山城郷士さん
「認知症予防の効果で一番大事なのか、今がどういう時なのか(認識する)ことがとても大事なんです。日にちをただ見るだけでは忘れてしまうので、その日付と何かを意識づける。「きょうは何日だったね」というかたちで記憶が定着する。私の中では記念日を用いてやっています」

宜野湾市にあるデイサービスでは毎日アカバナチャンネルを見るのが日課です。

▽利用者
「とてもホカホカして良い感じ。とても楽しいですね、良いことです」
「皆さん一緒ですからね、楽しいですよ」

施設側もアカバナチャンネルの動画で業務の負担が軽くなったと感じています。

▽照屋佳祐施設長
「一番大きな影響としては笑顔が増えたというところが一番大きい。機能訓練する上で、方言を使って説明する動画ってないんですよね。方言を使って笑いも取ってくれるので、本当に場を和ませてくれているのでいつも活用させていただいてます」

山城郷士さん
「動画をきっかけにこれ難しいさとか、これだったらできるよっていう感じで、動画を介してのコミュニケーションがいろいろできたので。コミュニケーションツールとなって、今後もいろんなところで施設だけではなく家庭でも使われるようなコンテンツになればなと思ってます」

アカバナプロジェクトでは県内の高齢者施設に活用を広く呼び掛け、インターネット環境が無い施設でも利用できるようDVDにダビングし各市町村に無償で提供することにしています。

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