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アーサの被害深刻 伊是名島の糖蜜大量流出

伊是名村の海を黒く染めた糖蜜の流出問題。伊是名製糖は先週、工場のすぐ近くにある沈砂池とよばれる場所に糖蜜をまいて処分しましたが。この場所では許容量に近づくと溢れて流れ出すつくりとなっていましたが工場側はこれを把握せずオーバフローした糖蜜が海に流れでたものでした。伊是名村では特産のアーサに深刻な被害が出ています。

この問題は伊是名村の伊是名製糖工場でサトウキビから出た糖蜜が大量に海に流れ出ました。流出した糖蜜は海岸沿いに最大で幅200メートルおよそ1.5kmに渡って広がりました。

山内駿記者「あたりには独特な甘い香りが立ち込めています。こちらの海水は黒く染まり、そばには収穫の時期を迎えたアーサが広がっています。」

アーサ生産者の松村亮太さんです。伊是名島では1月から収穫が始まり今年はアーサ4トンの生産を見込んでいましたが見慣れた海が黒く染まりがく然としました。

アーサ養殖業者松村亮太さん「何が起こっているか分からなくて。こっちに歩いてきたら臭いがおかしかったので、商品にはならないだろうなと。

糖蜜にまみれたアーサはすべて廃棄に。懸念はこれだけではありません。

「来期のアーサができるかどうか…。それが心配ですね。これだけ糖蜜が流れているので。自然のアーサの種が死んでしまっていたらこの種が無くなってしまったらアーサは養殖が、もう伊是名ではできなくなってしまうので。」

JAおきなわによりますと伊是名製糖工場では1月、糖蜜の貯蔵するタンクにパイプの流れをよくするために使用した熱湯が流れ込みました。このため商品にならなくなった糖蜜900トンの処分を決め、このうちおよそ300トンを今月1日から2日にかけて残さなどを保管する沈砂池に撒いて廃棄しました。

ところがこの沈砂池は許容量を超える前にオーバーフローする作りになっていて、あふれ出た糖蜜が側溝を通って河口から沖へと流れ出しました。糖蜜の大量流出は担当者が沈砂池の仕組みを把握していなかったことが原因でした。

伊是名島を訪れたJAおきなわの前田理事長は今回の問題についてアーサ生産者の松村さんに直接謝罪しました。

前田理事長「この度は大変迷惑をかけて申し訳ありません。補償については精一杯させていただきますので。」

「ネット張っていますね。これはもう全部使いものにならないということですか?」松村さん「ならないでしょうね・・・。」

JAおきなわ前田典男理事長「大変なことをしてしまったなという思いでいっぱいですね。なんとしても次の生産ができるようにです、まずは配慮をしていきたいなと思っております。」

伊是名村の奥間村長はアーサだけでなく、もずくや海ぶどうなど他の特産品への風評被害に念を強めています。

伊是名村奥間守村長「いまからみんな軌道に乗っていくのかという状況の時に、アーサの養殖に被害が出て。自分もこういう風評被害しかり、商品イメージアップが、イメージがダウンしないのかなと、そういう懸念は持っております。」

伊是名製糖工場は、再発防止策などがまとまるまで全ての作業が停止されていて、JAおきなわでは補償に向けた漁業被害をとりまとめを進めているほかアーサの養殖場の網や糖蜜の回収を続けています。

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