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ねこの日「さくらねこ」と保護活動の現場

2月22日は「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせで猫の日です。こちらの猫たちよく見ると耳に共通点があるのですがわかりますか。切れ目が入っていますね。これは不妊治療を施したしるしで切れ目が桜の花びらのように見えることから「さくらねこ」呼ばれています。猫たちの命を守りながら野良猫の増加を防ぐ活動を取材しました。

那覇市内の保護猫シェルターの猫本島南部を拠点に猫の保護活動を行っている大内清香さんといとこの後藤さんです。この日は那覇市内にある親戚の家で保護猫の世話に勤しんでいました。

大内清香さん「私たちは猫を譲渡会に参加させたり、猫の避妊と去勢の手術をするために地域の野良猫を捕獲して病院に連れていって地域にまた戻すという活動をしています。」

大内さんと後藤さんが行っているのは野良猫に不妊治療を施し、元いた場所に戻す「TNR」と呼ばれる活動です。

「TNR」は野良猫が増えすぎてしまった地域で殺処分に頼ることなく繁殖を抑える手段として考え出されたもので治療を終えた猫は目印として耳にV字型の切れ目が入れられ、その様子が桜の花びらに似ていることから「さくらねこ」と呼ばれています。

人間から嫌われてしまい居場所を失う猫が増えないようにと大内さんは猫と人間が共存するための一つの手段としてTNRを行います。

「やっぱり野良猫が増えないのが一番だと思うんですけど、(野良猫に)餌をあげないでくださいっていう張り紙もはられていて結局ここから餌をもらえなかったらどこか他の地域でもらわないと、猫が移動するだけ。」

「糞尿被害、(猫が)嫌という人の気持ちはなくなるかもしれないけれど、どこか別の場所でそれが生まれるだけなので。」

「地域と共存するためには、増やさないでもこの一代の命をちょっとだけ見守ってもらいたい。野良猫の命は3年から5年と言われているので、それをちょっと許してもらいたい。」

TNRの現場では不妊治療ができない子猫やけがや病気の猫を発見することが多くあります。そのような猫たちを保護、治療を施し人間との生活に慣れさせた上で里親を探すことも保護活動の一貫です。

後藤さん「保護したときに怪我していたりとか、小さすぎて生きていけないんじゃないかっていう子が回復したりとか。最初はつらいですけど、楽しかったりとか、そこから譲渡につながったときには喜びもひとしおと言うか、手塩にかけて育ててその子たちが(里親の元に)行くのは本当に(嬉しい)それはやりがいかなと思いますね。譲渡されて幸せになってもらいたい。」

南風原町で開かれた保護猫の譲渡会には大内さんが保護した猫たちも参加しました。

大内さん「(保護した)女子高生が育てられないからどうしようって連れてきてくれましたとても人懐っこいですにゃんじろうです。にゃー太といいますとっても人懐っこくて食いしん坊なんですけど、ちょっと大きくなっちゃって譲渡会はドキドキするみたいでめちゃくちゃ緊張してますね。」

ここで、早くもにゃんじろうに興味を示した人が。

「ちょっと抱っこしてみます?」「おりこうちゃんだね~」「家に1匹(猫を)飼っています。2匹目をどうしても考えているわけではなかったんですけど、見てみたらかわいい子がいたので。」

この日の譲渡会には大内さんの猫のほかにも多くの保護猫が参加し、中には譲渡に向けて里親との相性を確かめる2週間のトライアルが決まった猫もいました。

長毛の黒猫、ライくんは猫エイズウイルスに感染しています。猫エイズウイルスは猫同士で感染するウイルスで感染力が弱いため血液が直接触れるなどしない限り、他の猫に感染する心配はありませんが、一度感染すると体内からウイルスを除去することが困難なため感染している猫は譲渡先が決まり難い傾向があります。

知念さん夫妻は自宅で飼っている猫がエイズウイルスに感染していて、その猫と仲良くなれればとライくんを迎え入れることを希望しました。

知念さん夫妻「(猫エイズは)人間にはうつらないということと、ストレス無く元気に過ごしていれば天寿を全うできるということも伺ったので、うちの子として迎えられたらなと思っています。」

(Q.抱っこした感じはどうでしたか?)「ちょっと重いですね。元気なしるしですね。」

大内さんは譲渡会の開催を通して保護活動の意義を知ってもらい、猫も人間も幸せになれる社会を作る機運が高まってほしいと期待しています。

大内清香さん「困っている人を助けましょうとか小さい生き物を大切にしましょうとか、それの延長だと私は思っていて、今つらいんだよね、お腹空いてるんだよね、じゃあちょっと助けるよという気持ちでやってるので、それができる人が増えてくれたらいいなって思っています。」

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