PFASを命の問題として取り組むアメリカ政府 日本は
発がん性など人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物・PFASについて、アメリカ環境保護庁は初めて飲み水の規制値案を発表しました。
年内には法的拘束力をもつ規制値を定める見込みで、アメリカ政府はこの規制で「数千人の死亡を防ぐことができる」と命の問題として取り組む決意を示しています。
EPA・アメリカ環境保護庁が発表したのは、飲み水の規制値案でPFOA・PFOS、それぞれ1リットルあたり4ナノグラムとしています。
これは2016年に設定された生涯健康勧告値1リットルあたり70ナノグラムに比べ大幅に厳しい値となっています。
EPAはPFASの毒性をより重く評価し、去年6月には、PFOA・PFOSともにほぼ0とする「勧告値」を打ち出していますが、今回初めて法的拘束力を持つ「規制値」の案が出され年内にも正式に決定されます。
EPAは「この規制が完全に実施されれば数千人の死亡を防ぎ、数万人のPFASに起因する深刻な病気を減らせるだろう」としています。
この問題を追求してきた市民団体の代表は・・・
▽環境調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクトの河村雅美代表
「(米国)政府としてPFASの規制値を初めてつくったということは非常に大きいことだと思います」
一方、日本では従来のアメリカの勧告値にならい水道水1リットルあたり50ナノグラムという暫定目標値が設けられています。
この値に関して今関係省庁が進める議論の中で、アメリカの値を大幅に上回るWHO・世界保健機関が示す100ナノグラムという数値が盛んに持ち出されているとして、河村さんは危機感を募らせます。
▽環境調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクトの河村雅美代表
「『様子見』とか、はっきり言ってしまうと悠長に聞こえてしまいますし、WHO(世界保健機関)の100ngと出してきた数字に非常に拠っていく。沖縄に住んでいる者としては許せない」
河村さんはアメリカ政府が国民の命を守るため示した今回の数値を日本でも生かしてほしいと力を込めました。
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