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票を数え直すと”当落逆転” うるま市議選で異例の事態

2021年に実施されたうるま市議会の議員選挙を巡り、県選挙管理委員会は票を数え直した結果得票の判断を変更し、最下位で当選した議員の当選を無効とする決定を下しました。
これによって当選議員が入れ替わる可能性がある異例の事態となっています。

去年10月に実施されたうるま市議会議員選挙では、最下位で当選した天願浩也議員の得票が876票だったのに対し伊礼正さんが874票と2票差で次点となりました。

伊礼さんは結果が僅差だったことからうるま市選挙管理委員会に票の数え直しを申し出ましたが、市選管は「開票事務は適正に執行された」として棄却しました。

この結果を不服とした伊礼さんは公職選挙法に基づき県選挙管理委員会へ申し出たところ、他の候補者に投じられた2票と無効票と振り分けられた2票の合わせて4票が伊礼さんに投じられた票であることが認められました。

これによって県選挙管理委員会は伊礼さんの票を878票とし、天願議員の876票を上回ったことから得票順位を入れ替えて天願議員の当選を取り消す裁決を行いました。

県選管によりますと、票の数え直しによって当選者と次点の候補者の得票数が逆転するのは県内では1990年の伊良部町議会議員選挙以来で、異例の事態となっています。

▽次点で落選した伊礼正さん
「今一度私も心底納得したいそういう材料が欲しいという思いから再検票までお願いした」

当選を無効とされた天願議員が県選管の裁決に不服がある場合は30日以内に高等裁判所に提訴することができます。

▽天願浩也議員
「率直な気持ちは大変驚いている。自分も支援者がいるのでマイナスなイメージは持たずにプラスに考えてどうしていくかというのは考えています」

裁決が確定すれば当選者が入れ替わって天願議員が失職する可能性があり、天願議員は「提訴するか弁護士と相談して決めたい」としています。

県選管の裁決を受けてうるま市選挙管理委員会は24日の午後、対応を協議しました。

▽うるま市選挙管理委員会・比嘉弘之委員長
「伊礼氏、天願氏をはじめ多くの関係者の皆様方にご迷惑とご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます」

市選管は票を数える手順や人員の配置などに問題が無かったか検証するとしています。

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