ゆいレール 常駐駅員不在の「巡回管理」運用拡大へ 障害者支援団体から懸念も
沖縄都市モノレールは人材不足により駅に常駐する駅員の確保が難しくなっていることから一部の駅を巡回で管理していて、この運用をさらに拡大する方針を決めました。
駅員不在の時間が生じることに障害者の支援団体などからは懸念の声が上がっていて、沖縄都市モノレールは協会などの意見を聞きながら導入に向けた調整を進めています。
沖縄都市モノレールでは2019年の10月に首里駅から浦添市前田のてだこ浦西駅まで4.1キロの区間が開通し新たに4つの駅が開業しました。
始発のあさ6時から終電の深夜0時ごろまで那覇空港駅からてだこ浦西駅まで19ある駅を運営するためには60人以上の駅員が必要ですが、採用が追い付かずに延伸開業からおよそ3年半、常に駅員が不足している状況が続いています。
こうした中、沖縄都市モノレールでは2021年12月から、1人の駅員が石嶺駅と経塚駅を2時間から3時間おきに移動する「巡回方式」での運用を始めました。
▽松本早織記者
「巡回方式をすでに導入している浦西駅のインターホンですボタンを押すことで係員を呼び出すことができ、耳が不自由な方には筆談でも対応しています」
駅員が不在の間は問い合わせにインターホンで対応。石嶺駅と経塚駅で巡回方式を導入したことで人員の不足は幾分解消されたものの、依然として必要な数には3人足りておらず、新たに市立病院前駅と儀保駅でも巡回体制を取る方針を決めました。
石嶺駅と経塚駅で最初に巡回方式を導入したのは介助が必要な車いすの利用者が他の駅と比べて少なかったことが理由で、市立病院前駅と儀保駅についても同様の理由で決めたと説明しています。
これまでも介助が必要な乗客には駅のホームに上がることや乗り降りをサポートしていて、乗車の予定時刻を電話で連絡してもらうことで駅に上がるエレベーターからの介助にも対応できると呼びかけてきました。
今回の件について先月末に沖縄都市モノレールから説明があったという県視覚障害者福祉協会は「無人となった駅にいつ障害者が訪れるかわからず、困る人も出てくるだろう。人手不足は理解できるがわかりましたというわけにはいかず、公共交通機関としての役割を果たしてほしい」として4つの障害者団体と共に対応の見直しを求めることにしています。
市立病院前駅と儀保駅での巡回体制を始めるのを前に、沖縄都市モノレールは14日に障害者団体と実際に駅を視察して意見を聞くことにしていて、それを踏まえて今後開始の時期などを決定したいとしています。
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