72歳で剣道7段! 沖縄初の女性警察官で美術教師でデザイナーでボディビルダ―?
県内でも指折りの実力を誇る剣道7段・72歳の女性剣士がいます。取材を進めると一度では語りつくせないたくさんの顔が見えてきました。
竹刀さばき。ぶれない体に、凛としたたたずまい。
最高段位8段の剣道で7段を持つ剣士です。
▽宇良永子さん
「剣道やってたら骨密度上がってくるよ、なんでかね。72歳でまだ20歳くらいの骨密度がある。こんなのがいいはず足腰に」
▽女子剣道会
「すごいですね。剣道して健康になったらしいですよ」
宇良さんは去年11月、72歳で7段の昇段試験に合格!
▽宇良永子さん
「全くの予想外でした。もう全く自信はなかった。7段というのは格式の高い段なので80歳までを目標にと考えておりました」
7段の合格率は全国で15%~20%。これまでに県内で7段を持つ女性は宇良さんを合わせてわずか6人で一発での合格は初めてでした。
宇良さんの稽古の相手は主に50歳以上も年の離れた中高生たちです。
▽生徒
「自分では気づかないクセとか動作の無駄とかを優しく指摘してくれるので有難いです。歳離れているけど身近な先輩
「いくつになっても挑戦しているから、自分にとっての目標ああいう風にいくつになっても挑戦できるような人になりたいです」
およそ5キロある防具をつけ2時間みっちり稽古しましたが。
Qどうでしたきょうの稽古は?「別に普通なんですけどね。全然息も切れないし」
Q疲れてない?「全然!軽い軽いもっとやっても大丈夫ですよ」
高校生から剣道を始め、現在は県剣道連盟の副会長や県学校剣道連盟の会長を務め長年沖縄の剣道界を引っ張る宇良さん。
強さの秘訣を探ろうと自宅に伺うと朝晩素振りするための人形が!!
▽宇良永子さん
「100本くらいはやらないと」
なんてストイックなんでしょうか…
こんなの(屈伸運動)を廊下でやるんですよね。これを”老化現象”という」
一方で孫たちはあまり興味がない様子。
▽宇良永子さん
Q剣道やってほしいですか?「いまのところ興味を持ってないみたいで」
▽お孫さん
Qどんなおばあちゃんですか「優しい」
Q剣道している姿どう?「なんかすごい感じ」
取材を進めていると宇良さんの別の顔を発見しました!
▽宇良永子さん
復帰の次の年に警察官になって、それから学校の先生になって31年間教員をやっていました」
実は宇良さん、巡査部長も務めた沖縄初の女性警察官だったんです!
その後は美術教師に転職し小学校の校長も務めました。
現在も中学校や警察学校で美術を教えていて、今年沖縄で開かれる全国大会のポスターも作成中!
さらにデザイナーとしてもプロ並みの腕前で、娘の結婚を手作りのウェディングドレスで祝福しました。
たくさんの顔を持つ宇良さんですが、10年前は日常生活もままならない状態だったといいます。
▽宇良永子さん
「仕事が忙しくて運動とかそういうことができなくなったときに足に水が溜まって歩けなくなって。普通の生活がしたい、でも朝起きると這っていってトイレまで立てないものですから。そしたら医者から『筋肉を付けなさい』って言われたんですよ。『筋肉ってどこに付けるんですか』って言ったら『全身につけなさい』って」
そこで当時63歳の宇良さんは全身に筋肉をつけ…なんとボディービルダーに!!30キロの減量にも成功しました。
▽宇良永子さん
「いくつからでも筋肉はつくし体を作れるし体は自分で作っていかないといけませんのでね」
Q何ですか?「その元気の秘訣はただ一つですね。気持ちの問題気力の問題なんですよ。全部楽しみに変えることができれば一番いい。今きついけど頑張る。それがまたパワーにつながる。きょうはこれだけできた。また落ちたまたこれだけできた。一歩進んで2歩さがる。そういうものですよ」
警察官、美術教師、デザイナー、そしてボディービルダー…
7段を持つ剣士として取材をしていたはずが、宇良さんにはたくさんの顔があることがわかってしまいました。
美術教師で
かえって教科の方が専門だからその方を語った方が本当は…。剣道は専門的にやってるわけでもなんでもない。流れの中でそうなっているだけであって、教えているのは美術で習っているのが剣道」
宇良さんの素顔を知るにはまだまだ時間がかかりそうです。
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