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児童福祉司 立場を利用し女児に強制わいせつ行為か 求められる検証・再発防止策

今年3月、児童相談所に勤務していた元児童福祉司の男が女子児童に対する強制わいせつの容疑で逮捕された事件で、警察は10日、男の身柄を検察に送りました。男は容疑を大筋で認めています。

那覇地検に送検された元児童福祉司の野原一茂容疑者(32)は児童相談所に勤務していた今年3月、小学校で面談をしていた女子児童にわいせつな行為をした疑いがもたれています。

警察は容疑者の認否を明らかにしていませんが、関係者によりますと容疑を大筋で認めているということです。

容疑者は以前から複数回、被害にあった児童と面談していました。

事件当時は学校の一室で2人きりの状況で、容疑者は児童福祉司という立場を利用して犯行に及んだとみられます。

性犯罪に詳しい専門家に話を聞きました。

▽琉球大学・矢野恵美教授
「信頼して話をしているだろうう相手からわいせつ行為を受けた時に、児童はそもそもわいせつ行為だという認識を非常に持ちづらい。今回のような端緒がなければ、画像をチェックすることがなければ表に出てこなかった」

事件が発覚したのは先月のこと。本島南部のスーパーで「買い物中の女子学生が撮影されている」という通報を受け、警察が現場にいた容疑者のスマートフォンを確認しました。

この際、スーパーで撮影された画像に犯罪が疑われるものはなかったものの、女子児童に対するわいせつ行為を撮影した動画が見つかりました。

子どもたちを守ることを職責とする児童相談所の職員が起こした事件を受けて、県が会見しました。

▽県保健医療部・宮平道子部長
「あってはならない事態に強い衝撃を受けています。対応にどういった課題があったのかということを、その事案が明らかになっていくなかで課題を明らかにしていきたい」

県によりますと面談の際に職員の不適切な対応を防ぐためのルールやマニュアルは策定されていません。

琉球大学の矢野教授は、児童相談所の職員による犯行も起こりうることが示されたことを踏まえて体制を見直す必要性があると指摘します。

▽琉球大学・矢野恵美教授
「大人を複数人にするとか、プライバシーが守られることは確保しながら空間的に密室にしないとか、そういった工夫もしていただきたい」

この上で矢野教授は児童の心のケアが重要だと強調します。

▽琉球大学・矢野恵美教授
「性犯罪の被害に遭うということは本当にとても大きな心の傷を残します。『あなたは悪くないんだよ』と言うこと。急にそんなことを言われても児童が混乱してしまうので、児童の心理状態に詳しい方に入っていただいてケアをしていただきたい」

事件がどのような経緯で起きたのかを検証し、二度と起こさないための方策を尽くすことが求められています。

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