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「同じ境遇の人の力になれば」42歳グルメサイトブロガーのスキルス胃がん闘病記 後編

スキルス胃がんと闘う42歳の女性の特集。後編は、4時間におよぶ手術と術後の経過、そして同じような境遇の人の力になればと女性が始めた取り組みを紹介します。

胃がんのなかでも進行が早く非常に厄介なスキルス胃がんと診断されたユッキーさん(42)です。

IT企業に勤めるユッキーさんは仕事柄、自身のブログも立ち上げていて、なかでも全国の飲食店の情報を発信するグルメサイトは多くのフォロワーもいます。

自身の闘病の記録が誰かのために役に立ち早期発見に活かせればと取材に応じてくれました。

先月20日、豊見城にある総合病院・友愛医療センターでユッキーさんは胃を全て摘出する手術を控えていました。

執刀するのは日本胃癌学会で会長を歴任した胃がんのエキスパート・二宮基樹医師です。

▽二宮基樹医師
「癌を一粒残さず全部取るつもりですから」

▽ユッキーさん「宜しくお願いします」

▽二宮基樹医師「ベストを尽くしますから手術のあと(リハビリ)頑張ってください」

▽ユッキーさん
「そうですね。そこからが頑張りどころかなと」

手術を前に、二宮医師はユッキーさんの緊張をときほぐすように接していました

▽二宮基樹医師
「気を送るんですよ。私の気が入っていく」

▽ユッキーさん「嬉しいですねそう言って頂けると。ありがとうございます」

▽二宮基樹医師「技術だけじゃなく気を送ります。頑張っていきましょう」

午前9時すぎ、ユッキーさんが手術室へと向かいました。

そのころ、二宮医師たちも手術にむけて集中力を高めていました。

▽二宮基樹医師
「直前で気持ちが高まっています。無心にならなきゃいけない。雑念を捨てる」

全身に麻酔がかけられたユッキーさんに二宮医師が声をかけてそっと手を添えたあと手術が始まることを伝えました。

手術から7日後

▽ユッキーさん
「手術後から3日間はこのまま私は死んだ方が楽だったんじゃないかというぐらいすごい大変でしたね。背中痛いだとか、傷口痛いとか、寝られないとか。でも、3日目からはケロッとしていて、ぱっと起きて「いける」と思って」

壮絶な手術を受けたとは思えないほど、声や表情が明るかったことにこちらが驚いてしまうほどでした。

▽病院食の写真を見せるユッキーさん
「これは最初の頃ですね。重湯と具無しの味噌汁赤ちゃん用のジュース。これはきょうの物なんですけど、三分粥、でもここら辺とかはかなり細かく砕かれているし、味噌汁に入っていたじゃがいもは舌でつぶせるくらいのレベルです。今まで食べ物を受けるところじゃなかった小腸が、いきなり食道と繋がって食べ物を受け止める係になる訳じゃないですか。それはびっくりですよね

▽二宮基樹医師
「きょうで一週間なんですよ。お元気でしょう。ドレインという管も2本とも抜けていますし、点滴もなくなりましたし、もちろん心電図モニターもないし。今、三分粥も全量食べておられます。元々基礎体力が非常におありの方なんですけど、100点満点に近い手術の後の経過だろうと思いますね」

4時間におよぶ手術で胃の全てと脾臓と胆のうが摘出されました。

ただ、スキルス胃がんについてはこれまで蓄積された症例からも手術だけで治すことは難しく、術後は補助化学療法をやるのが一般的で、ユッキーさんも今後は抗がん剤による治療も行っていくことになるだろうと話します。

これからも続く癌の治療ユッキーさんには前を向く理由があります。

▽ユッキーさん
「病気と闘って勝たなきゃいけない。子どもを育てなきゃいけないというのが頭にあるのでそれがポジティブに繋がっている」

まだ入院中にもかかわらずユッキーさんが始めたことがあります。

自身の記録をブログで公開することです。今月2日に第一回目を投稿しました。

―スキルス胃がんになったので「5年生存率を上げる」ブログを始めます」ー

毎日ノンアル.netより
あれはスキルス胃がんの症状だったのか!わたしが自覚していた3つの体調不良
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私の経験が誰かの役にたって癌の早期発見につながってほしい。同じような病で悩む人たちの支えや参考になればとユッキーさんはブログを公開しています。

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