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サンゴを覆いつくすウッドチップ 石垣島沖で座礁した貨物船から流出

海底に堆積する黒い物体。これは石垣島の沖合で座礁した貨物船から流出した「ウッドチップ」で、命のゆりかご、サンゴ礁を覆いつくしています。

座礁から4か月が経過しましたが、貨物船の撤去や積み荷の回収は進んでいません。

今年1月24日、竹富町の浜島沖でパナマ船籍の貨物船が強い寒波による強風にあおられ座礁しました。

現場の海域は国内最大のサンゴ礁が広がる石西礁湖で、事故から4か月が経ったいまも船は座礁したままです。

沖縄県はき今月23日、石垣市と竹富町からの要請を受ける形で船会社側と面談し座礁船と積み荷の早期撤去を求めました。

▽溜政仁知事公室長
「自然環境、水産資源にこれ以上影響が及ばないよう速やかな対策を講じること」

船会社側は数週間以内に業者を選定し貨物船の撤去に最善を尽くす考えを伝えました。

ただこの間も、座礁の影響は広がり続けています。

石垣市の南ぬ浜町に積み上げらた袋の中身は細かなヤシガラ。貨物船から流出した積み荷のウッドチップです。

2か月前から回収作業が続けられていますが1万トンのウッドチップのうち5000トンが海に流れ出たと推定され、回収完了の目途は全く立っていません。


石垣市議会
「このようにサンゴが広がっていた海域であります。これ黒いの全部ヤシガラですよ。掘っても掘っても積み荷しか出てこないんですよ。これがサンゴを覆ってるんですよ」

海に潜って現状を確かめ事故について市議会で追及してきた仲嶺忠師議員です。

漁場としても豊かな海域でサンゴ礁の死滅が進めば、魚もいなくなり水産業や観光への影響も避けられないと1日も早い座礁船と積み荷の撤去を訴えています。

船会社側はウッドチップの流出は少なくなってきているとした上で、船の撤去の見通しについては次のように述べました。

Qどれくらいの期間が見込まれている。
「撤去を行う業者によるかと思うんですけど、想定で6か月から9か月かかるのではないかと」

八重山地方には台風2号が接近する恐れがあり、関係者は仮に貨物船がさらにサンゴ礁に乗り上げる事態になれば撤去はより困難になると警戒感を強めています。

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