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沖縄に誕生した陸上チームは「裏方が主役」

今年4月、県内の中長距離界のトップ選手が集う陸上チーム「SUMMIT」が結成されました。選手たちの本来の所属はバラバラですが、その垣根を超えて結集したのにはレースやトレーニングに欠かせない重要な裏方の存在がありました。

今年4月、県内の中長距離界のトップ選手が一堂に集い走り出したチーム。

その名も山の頂きを意味する「SUMMIT」です。

マラソンで県記録を持つ濱崎達規選手や実業団で活躍する外間勇太選手など所属の異なる選手がともに汗を流しています。

▽濱崎達規選手
「ペースが落ちていっちゃうんですよね、一人だとどうしても。妥協も入ってくるし。1本1本しっかりこなすということが中長距離の場合とても大事になってくるので。集団でやるメリットがとてもある」

トップ選手の厳しい練習の中で欠かせない存在となっているのが、SUMMITの代表を務める永山大誠さんです。その役割とは・・・

先頭を走り高いレベルかつ均等なペースで集団を引っ張る「ペースメーカー」です。

時計見ながら走っている様子各々の選手が目標タイムを達成するためにペースを秒単位で管理しながらレースを引っ張ります。

▽SUMMIT代表・永山大誠さん
「最後までは流石に自分もいけないので、1500mをやるなら800mまで900mまでって決めて、それまでは自分の力でがむしゃらに走る。それがペースメーカーとしての役割なのかなと」

陸上の名門・那覇西高校時代には県高校駅伝で区間賞を獲得するほどの選手だった永山さんですが、大学1年の時に左足のアキレス腱を痛め一線を退きました。

しかしトレーナーの勧めでペースメーカーとして第二の陸上人生をスタート。

自身の経験を踏まえ質の高い練習メニューを高いレベルで遂行する永山さんの元で、選手達が着実に記録を伸ばしていきました。

▽外間勇太選手
「練習を引っ張ってもらったり見てもらったりするようになって練習の質だったり、自分のタイムも上がってきて800メートルの県記録を達成するところまでいくことが出来た」※先月800メートルで県新記録1分51秒01(0秒31縮めた)

▽SUMMI代表・永山大誠さん
「楽しいですね、周りの見ている人たちよりも、自分が一番近くで応援できている。自分よりは(他の)選手のタイムが自分の走るモチベーションになっていますね」

「山の頂きに県記録という剣を突き刺す」ために結成されたSUMMIT。

その目的を達成するには、選手を支える永山さんの存在は欠かせません。

▽濱崎選手
「裏方が主役のチーム。今日の練習でも、一人では絶対、自分では出来ない。メンタル面でも身体面でもどちらも必要になってくる」

貴重な裏方として継続的に活動出来るよう、県内で実業団を持つ企業がチームのメインスポンサーとなり、これまで永山さんが自費で行ってきた遠征のサポートなどについてもバックアップ体制が整いました。

今後は陸上教室など後進の育成にも力を入れ、県内の中長距離界をけん引していきたいと永山さんは意気込みます。

▽SUMMIT代表・永山大誠さん
「(外間選手の県記録で)1本剣を刺せたので、それをどんどん増やしていって、沖縄県の陸上発展に繋がっていけるようなチームにしたいですね」

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