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戦地・沖縄から手紙を送ってくれた父 万年筆が娘のもとへ
豊見城市にある旧海軍司令部壕の遺骨収集で見つかった万年筆の持ち主がわかり、78年の時を経て遺族の元に戻りました。
万年筆は戦没者の遺骨収集活動に取り組む京都府のNPO法人「空援隊」が、今年2月に旧海軍司令部壕の一般公開されていない場所の調査で見つけました。
万年筆に刻まれた「宮本」という文字や彫られていた会社の名前を手がかりに持ち主を探し、千葉県出身の宮本衛さんのものだと判明しました。
万年筆は12日に東京にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑で宮本衛さんの娘の坂下満子さんへと返されました。
▽坂下満子さん
「本当に(父が)帰ってきたような感じがします。よっぽど会いたかったんだなと」
宮本さんは78年前の6月12日に亡くなったとされ遺骨は見つかっていませんでした。
▽坂下満子さん
「この万年筆を頂きに来るのもカレンダーをみたら父の命日と書いてあったんですよ。だから、本当に巡り合わせだなと思って」
父の姿は5歳の時に出征するのを見送ったのが最後で、「母親の言うことをちゃんと聞きなさい」というカタカナで書かれた手紙が沖縄から届いたということです。
坂下さんは78年の時を経て戻った万年筆を手に取り、戦地で愛する家族に手紙をしたためた父に思いを馳せていました。
▽坂下満子さん
「これは宝物です。抱いて寝ます」
坂下さんは万年筆の返還に携わった人たちにお礼を述べ、1人でも多くの方に遺品が渡ってほしいと話していました。
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