「帰還不能」事故が相次ぐ 風や波の影響を受けやすいSUP
マリンレジャーとして人気が高まっているのがスタンドアップパドルボードSUPです。SUPの最中に沖に流される事故が相次いでいることを踏まえ、宮古島海上保安部がどのように危険な状況になるか検証を行いました。
ボードとパドルがあれば始められるSUPは気軽できるマリンレジャーとして人気が高まっていますが、海に出た後に戻ってこられなくなる「帰還不能」と呼ばれる事故が相次いでいます。
宮古島市の海岸ではSUPがどの程度風や波の影響を受けるか検証しようと宮古島海上保安部の職員が沖合までの350メートルを往復しました。
沖に向かって風が吹くオフショアと呼ばれる状況で、パドルをほとんど漕がずに2分30秒で目標の地点に到達しました。
しかし帰りは風と潮の流れが進行方向と逆になるため、全力で漕いでもなかなか戻って来られません。
砂浜にたどり着くまでにかかった時間は6倍以上となる15分50秒。
日ごろから体を鍛えている海上保安部の職員も、疲れ切った様子でした。
▽宮古島海上保安部・兼島史貴さん
「(陸に近い)内側の風と沖側の風が全く違った。風の影響でどんどん(沖に)流された。体力はかなり消耗しますね」
去年10月、竹富町でSUPのツアーに参加していた女性が14時間にわたり海に漂流し、警察は安全確保を怠ったとしてツアーを開いた業者を30日間の事業停止処分としました。
今月18日には石垣市の沖合でSUPをしていた40代の夫婦と3才の子どもが沖に流されて戻れなくなり、近くにいたダイビング業者の船に救助されました。
SUPは風や波の影響を受けやすいため海上保安部は当日の気象状況に注意するとともに、ライフジャケットを着用し連絡手段を確保して楽しむよう呼びかけています。
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