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沖縄再び戦場にさせない 沖縄戦の教訓と平和の思いつなぐ使命
沖縄全戦没者追悼式が開かれる糸満市の平和祈念公園から中継でお伝えします。延総史記者です。
平和の礎には朝早くから遺族や体験者らが訪れ肉親に想いを馳せ、静かに手を合わせています。ただ今年は、沖縄が再び戦場にされるのではないかという不安が高まるなかで戦後78年となる慰霊の日を迎えています。
住民を巻き込んだ地上戦を生き延びた人々から直接話を聞く機会はとても少なくなっています。その一人が今年1月94歳で亡くなった元白梅学徒の中山きくさんでした。
学友22人を失った体験から長年、戦争の悲惨さや平和の尊さを伝える活動に力を尽くしてきました。
晩年、癌に冒されながらも「生きている限り戦争に正義はないと伝え続けたい」と私に語りかけてくれた姿が忘れられません。
きくさんの思いとは裏腹に世界ではロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、沖縄でも台湾海峡をにらんだ米中の対立を背景に自衛隊の増強が急速に進められています。
極めて高齢となった沖縄戦の体験者はいま新たな戦前してはならないと声をふり絞るように訴えています。
沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園ではこの後、全戦没者追悼式が開かれ、玉城知事や岸田総理も参列します。
2度と沖縄を戦場にさせないよう改めて沖縄戦の教訓を見つめ次の世代へ戦争の記憶と平和への崇高な思いを繋ぐことが私たち世代に与えられた使命ではないでしょうか。摩文仁からお伝えしました。
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