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新たに施行 不同意性交罪とは

同意がない性行為を明文化し処罰の対象とする「不同意性交罪」が今月13日から施行されました。

今回の刑法改正で施行された不同意性交罪はこれまでの強制性交罪と準強制性交罪に代わるものです。

強制性交罪は暴行や脅迫などで無理やり性交した場合、準強制性交罪では被害者が抵抗出来ない状況につけこんで性行為に及んだ際に適用されていました。

しかし、被害者が同意していないことに加えて加害者がどのような状況で性行為を強制したか証明することが求められ、当時の状況をどう解釈するかによって犯罪が成立するかどうか判断にばらつきが生じていました。

不同意性交罪は「同意のない性行為は犯罪になり得る」と明確化したもので、具体的に8つの行為を例示しています。

【不同意性交等罪】今月13日施行
▼同意しない意思を持つ・示す・貫くことが困難な状態
1:暴行や脅迫
2:心身の障害
3:薬物や酒の影響
4:睡眠など意識不明瞭
5:拒む間も与えない
6:恐怖やショックで動けない
7:虐待を負わせる
8:経済的・社会的地位を利用

これまでの「暴行や脅迫」に加えて「拒む間も与えない」場合、「経済的・社会的な地位を利用」した時も適用されるとしていて、例えば上司・部下の関係や配偶者同士におけるケースも想定しています。

今回の法改正で大きなポイントの一つが「被害者側が性行為に同意しない意思を示すことが困難な状況でも犯罪になり得る」とした点です。

▽琉球大学・矢野恵美教授
もともとは「強制性交等罪」で力で、強制するという事が書かれていたのが、今回「不同意性交等罪」ということで、同意していないという所に焦点が置かれたのがとっても大きな変化だと思います。様々な事情があって、あなたが同意していないことを示せなかったり、その気持ちを形成することができなかったり、そういった気持ちを貫き通すことができないような事情ってありますよね。その事情の例が8つ挙げられたという事になります。本当に多くの被害者が救われると思います。

加害者側の態度によらず、被害者側が同意していない性行為やわいせつな行為はダメだと明確にされたことになります。

性犯罪に琉球大学の矢野教授は、法律が改正された経緯を私たち大人が知り、子どもたちへの教育に活かしていくことが犯罪を抑止していく上で重要だと指摘します。

▽琉球大学・矢野恵美教授
もともと犯罪というもの自体は何か守るべき権利があって、それを侵害した場合が犯罪になるんですね。この性犯罪については守るべき権利と言うのは「性的自由」だと考えられています。「性的自由」というのはいつ誰とどんな性的な行為をするのかを決める権利。それは「性的自己決定権」と言われる。犯罪を防ぐためには自分が加害者にならないということが大切。きちんと子どものころから教えるべきできだと思います。

矢野教授は性的自己決定権を理解し、同意していない性行為をしてはいけないことを子どもたちに伝えることが大切だと強調しました。

人の権利を侵さない、加害者にならない取り組みが社会に求められています。

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