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辺野古「軟弱地盤」の設計変更申請で法廷闘争に これまでの経緯

普天間基地の移設計画を巡りこれまでも幾度となく行われた法廷闘争。

埋め立て工事が進む中で明らかになったのが大浦湾側に存在するマヨネーズ並みと言われる軟弱地盤です。

最も深いところで海面から90メートルにも及ぶ軟弱地盤を改良するため工法を見直した沖縄防衛局。

移設工事の工期は8年から12年に、工事費用は3500億円からおよそ2.7倍となる9300億円まで膨れ上がりました。

▽玉城知事〈2021年11月25日〉
「設計概要変更承認申請について、本日不承認とする処分を行いました」

おととし11月、玉城知事は「軟弱地盤について調査が不十分で災害を防止する上で十分な検討がなされていない」として国の設計変更申請を不承認としました。

さらに国内で90メートルに達する軟弱地盤を改良する工事の実績がない事や、普天間基地の返還が少なくとも2030年代にずれ込むこととから国が主張する「一日も早い危険性の除去」にはつながらず「辺野古が唯一の解決策」にならないと疑義を呈しました。

▽玉城知事(2021年11月25日)
「唯一と表現をする政府の根本的な理由は説明を受けておりません。どこと何を比較したのか。政治的な解決策のみを表に立てて、会話の糸口を作ろうとしないということに(問題が)もつれてきた最大の原因がある」

これに対し国はすぐさま対抗措置として県の「不承認」を取り消し、さらに承認を迫る「是正の指示」を出します。

県はこれらの裁決が「国の違法な関与に当たる」として裁判を起こしましたが、今年3月、福岡高裁那覇支部は県の訴えを退けました。

判決では調査不足などを理由に県が不承認とした事は「裁量権の逸脱・濫用」に当たるとし、「軟弱地盤の改良によって工期が延びたとしても普天間基地の危険性を早期に除去する目的と整合しなくなったとは言えない」と国の主張を全面的に認めました。

こうした司法の姿勢に玉城知事は…

▽玉城知事〈2023年3月16日〉
「裁判所の判断は公水法(公有水面埋立法)によって認められた地域住民の利益を守るための知事の裁量を否定したもので、地方自治の観点からも許されるものではありません」

県と国の間では移設計画を巡ってこれまで13の裁判があり、今回の判決を合せて7つの裁判で県の敗訴が確定しています。

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