公開日

辺野古埋め立て南部土砂問題 これまでの経緯

”南部土砂問題”の発端となったのが、普天間基地の移設をめぐり国が県に出した辺野古の埋め立ての設計変更申請です。

戦没者への冒涜だと計画の撤回を訴える声が沸き起こりました。

普天間基地の移設先とされる名護市辺野古で国が進めている基地建設のための埋め立て工事。

大浦湾側で見つかった軟弱地盤の改良工事のため沖縄防衛局が県に提出した設計変更申請の中で、新たに土砂を調達する場所に加えられたのが本島南部の糸満市、八重瀬町です。

本島南部は78年前に住民を巻き込んだ沖縄戦で激戦地となり、今も地中に多くの遺骨が眠っています。

40年以上遺骨収集を続けるガマフヤーの具志堅隆松さんは戦没者の遺骨が混ざった土砂が埋め立てに使われる恐れがあるとハンガーストライキで訴えました。

▽遺骨収集ボランティアガマフヤー具志堅隆松代表(2021年)
「これは基地に賛成とか反対とかという以前の人道上の問題だと思っています」

具志堅さんの訴えに多くの戦没者遺族が共鳴。県民の関心も高まり南部の土砂の調達計画の断念を求め3万2800人分の署名が集まりました。

県議会も「戦没者の遺骨が混入した土砂を埋め立てに使用しないこと」などを国に求める意見書を全会一致で可決しました。

こうした中、注目されていたのが糸満市米須の鉱山を所有する業者が県に出した開発許可の届け出です。

ガマフヤーの具志堅さんらは業者に中止命令を出すよう県に求めていましたが、玉城知事は「法制度上の限界がある」として採掘の禁止や制限の措置を見送りました。

県は採掘した琉球石灰岩を搬出する道路として農地を転用することを11日に許可し、開発に必要な許可が全て下りました。

あわせて読みたい記事 ヤンバルクイナ

あなたへおすすめ! クマノミ 小 クマノミ 大きい