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辺野古反対「諦めない」新たな政治勢力が誕生

辺野古の設計変更申請の不承認を巡る裁判で県が敗訴したことを受けて、諦めることなく移設に反対する意思を示そうと新たな政治勢力が誕生しました。発起人となった若い地方議員の思いとは。

與那覇沙姫さん
「政治は暮らしであるという事を市民が県民がもっと感じられるような政治を取り戻していきたいと思っています」

先月、発足した辺野古基地建設に反対する自治体議員有志の会。

市町村の垣根を超えて県内28の市町村から107人の議員が加わりました。

会の発足を呼びかけた1人、読谷村議会議員の與那覇沙姫さんです。去年の選挙で初めて当選しました。

與那覇沙姫さん
「(当選してみたら)衝撃だったんですよ。これが政治のルールかと。こういう場で私たちの暮らしが決まっていたと思うとゾッとしたんですよね。私たちには自分たちで決める権利を奪われているんだというのが分かって」

普天間基地の移設計画を巡っては計画に反対する玉城知事が2度の当選を果たし2019年に実施された埋め立ての賛否を問う県民投票で投票総数の7割を反対が占めました。

しかし政府は民意を顧みることなく「辺野古が唯一」と繰り返し工事を推し進めてきました。

さらに玉城知事の最大の切り札と言われた国の設計変更申請に対する「不承認」に対しても、政府はすぐさま対抗措置を取り、最高裁まで争われた裁判では先月、県の敗訴が確定しました。

有無を言わさないような圧倒的な権力を見せつけてくる政府に対し、與那覇さんは今こそ声を上げるべきと話します。

與那覇沙姫さん
「きっとこの諦めない。諦めない精神が大事。それを住民と一緒にやっていくと思っていたからこそ、本当の住民参加型の政治を取り戻す」

有志の会は行動指針として

・新基地建設反対を貫く知事の毅然たる行動を後押しする
・真の沖縄の自治を実現する
・希望に満ちた子どもたちの未来を実現する
の3つを掲げています。

移設先とされる名護市の市議会議員、多嘉山侑三さんも有志の会の発起人の一人です。

多嘉山侑三さん
「仮に辺野古の基地が出来たとしたら辺野古と高江のヘリパットそして伊江島の飛行場の三角形の中に名護市が位置が入って来るので、より米軍機の危険性が増すと思うんですよね。自分たちの生活暮らしを脅かしかねないかなと思います」

移設問題は「暮らしの問題」だと話す多嘉山さん。

市民に近い立場にある市議が生活の問題として向き合わなければいけないと力を込めます。

多嘉山侑三さん
「政治は暮らしであり市民の生活に直結していると。そのことと基地問題ももちろん直結しているんだと。自治体議員が結集するという事に、そういった市民に近い声も届ける、そして聞くというそういった意義があるのではないかと考えています」

一方、名護市内や県内にも移設計画に賛成する意見があることを踏まえ、反対する理由を丁寧に説明することにしています。

多嘉山侑三さん
「沖縄に基地が集中してしまっていることで、軍事的にはもし有事が起きてしまった場合には狙われて一気に基地機能が失われてしまうという、そういうリスクもありますのでむしろ軍事的な危険も言われています。そういった抑止力という事に対する矛盾を丁寧に説明していく必要があると思います」

辺野古反対の市民運動をリードしてきたオール沖縄会議にかつてのような勢いが見られない中で発足した有志の会。

市民に近い若い議員が中心となり誕生した新しい政治勢力は大きなうねりをつくる可能性も秘めています。

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