校歌ダンスでつなぐ地域の絆 沖縄・今帰仁村
校歌に合わせて踊る「校歌ダンス」をご存じでしょうか。県内では一部の学校で取り入れられているということですが今帰仁村の兼次小学校には90年にわたり受け継がれてきた伝統の「校歌ダンス」があります。
長い歴史を歩んできた校歌ダンスは卒業生や地域の人々をつないでいます。
スポーツの秋!2日、今帰仁村の兼次小学校では運動会が開かれました。
運動会の終盤、何やら保護者や地域の人々が色とりどりの旗を持って運動場に出てきました。
旗を持って運動場に出てくる人々そして始まったのは兼次小学校の「校歌ダンス」!
校歌に合わせてみんなで踊り運動場に大きな輪をつくりました。
元気よく踊っているこちらの男性、24年前に兼次小学校の校長を務め定年退職し自身も卒業生である上間久武さん(85)です。
記者Q:久武さんが小学校のときから「校歌ダンス」はありましたか?
上間久武さん
「ずーっとありました。もう延々と。相当な歴史がありますね」
1899年(明治32年)開校、今年で創立124年を迎えた兼次小学校。
校歌が制定されたのは1933年(昭和8年)のことでした。作曲を手がけたのは当時、沖縄県師範学校の教師だった宮良長包です。
素晴らしい校歌を歌だけでなく形にして受け継いでいきたいということで、当時勤めていた教師たちが校歌に振り付けをしたことが「校歌ダンス」のきっかけだといわれています。
その思いはしっかり受け継がれ、兼次小学校の卒業生はみんな振り付けを忘れることなく同窓会などでは必ず踊る大切なものだということです。
卒業生は
「還暦のときもやりましたし、そういう(行事の)ときは必ず」
「旗がないときはこれで」記者Q「割り箸で?」「そうそう」
「歴史を感じますね、嬉しいですよ」
「私も校歌ダンスを踊るのを楽しみにしています。頑張りますので、よろしくお願いします!」
上間久武さん
「私はずっと校歌を歌いながら踊りました。ぜひこれを続けていきます。来年もがんばります。歩ける限りは」
久武さんの長男も兼次小学校を卒業、なんと現在の兼次小学校の校長を務める上間久仁先生です。
親子2世代で学校の歴史と伝統を繋いでいます。
兼次小学校・上間久仁校長
「母校なので子どものころからずっと踊っているダンスなんですが、この(校長の)立場で踊るというのはまた違った感じがあって。校歌ダンスが地域と学校を繋げているんじゃないかと強く感じました。大事にしていきたいと思いますし、子どもたちにその気持ちを受け継いでバトンを渡したい」
2年生
記者Q「校歌ダンスどうだった?」「楽しかった」
記者Q「ダンスは完璧に踊れる?」「うん」
6年生
「中学生になってもまたみんなと踊ると思います」
「卒業しても、友達と運動会を見に来て一緒に踊りたいです」
校歌ダンスが長い歴史の中で受け継がれてきたその背景には、校歌や母校への愛着と地域の人々の深い絆がありました。
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