公開日

伝統をつなぐ那覇の旗頭 地域の繁栄を願って空を舞う

10月8日行われた那覇大綱挽には27万5千人が訪れ、会場は熱気に包まれました。その大綱挽の華となるのが、各地域の旗頭です。地域の繁栄を願って空を舞う、旗頭にかける人々の思いを取材しました。

那覇の空を天高く舞う旗頭。国際通りを練り歩き、人々を鼓舞しながら大綱のもとへ集います。
行列に並ぶ旗頭は東西7旗ずつ。地域の繁栄を願って作られた、旗頭は那覇の伝統文化として継承されてきました。

知念那覇市長は、旗頭のまち・那覇を宣言。

那覇市の伝統文化・旗頭ですが、いま、大きな課題を抱えています。

那覇市泉崎の開南小学校で練習を行う泉崎旗頭保存会。この日は、本番直前の最後の練習日です。

▽泉崎旗頭保存会旗指揮與那原良治さん:
『旗竿ととぅーるーを繋いでいます。重たいですね』
泉崎の旗頭を幼いころから見つめてきた與那原さんは、全員をまとめる立場の旗指揮を務めます。

▽泉崎旗頭保存会旗指揮與那原良治さん:
『(旗持ちは)空手の先生だったり、地域の人たちが関わっていて、圧巻するイメージだったんんですけど』『僕の下がずっといなかったっていうのがあって、何十年も後輩ができないっていうのもあって、それがどうしらたいいのかって』

各地域で課題となっているのが、「後継者不足」です。

▽泉崎旗頭保存会旗指揮與那原良治さん:
『小学校の生徒数が少ないというのと、中学校ももちろんそうだんですけど、我々が小学校の頃よりは確実に減っている』『だからこそ後継者不足っていうのも同時に並行して進んでいるっていうのかな』

各地の旗頭保存会では、学校と協力して子ども達が地域の伝統文化に触れる機会作りに取組んでいます。泉崎旗頭保存会では、新たな取組みも。

▽泉崎旗頭保存会旗指揮與那原良治さん:
『いろんな各村の、中部だったり祭りを見に行ったときに、なにか良いヒントはないかなと思って、辿り着いたのが「音楽」』『威勢の良い声が曲がある事によって声出しも変わって来るという所で、心の魂が言葉に出てるのかなと言う思いですね』

チンク隊の楽器に加え三線の音色を加えました。伝統継承と新たな挑戦、それぞれの思いを胸に本番を迎えます。

各地域とも自慢の旗頭を高く掲げ、勇壮な演舞を見せつけ通りを盛り上げます。
威勢のある掛け声と三線の音色でひと際沸き立ちます。
多くの観客を引き連れた旗頭が大網のもとに集結します。

▽泉崎旗頭保存会旗指揮與那原良治さん:
『西の想いは伝わったかなと思います』『これからもこの伝統を子ども達が受けついでいければなと思っています』『沿道の方が手拍子・カチャーシーなどしていただいたっていうのはとても今後に繋がる良い一歩だったと思います。西の代表、地域の代表としてこれからも伝統芸能を発信していきたいと思います』

地域の誇りと人々の思いが繋がり、那覇の空には旗頭が舞います

あわせて読みたい記事 ヤンバルクイナ

あなたへおすすめ! クマノミ 小 クマノミ 大きい